英国銀行 ポンド切り下げで大バクチ

英国銀行 ポンド切り下げで大バクチ

イングランド銀行、ポンド切り下げを画策する

オイルショック直後の最悪のタイミングで、
法人税引き上げと企業課税強化を行った
ウィルソン労働党内閣。

 

74年には企業の税引き後利潤率が
なんとマイナス0.3%となり投資が冷え込んだ。

 

投資がなければ経済はまわらず、
企業も利益がなければ賃上げにも応じられない。

 

社会契約によって賃上げを企業に押しつけようにも、
賃上げしたら倒産するような状態ではどうしようもない。

 

ウィルソン労働党内閣は、この現実に直面して、
選挙公約であった企業課税強化を撤回し、
企業に適正利潤を回す政策を採らざるを得なくなった。

 

一方、イギリスのインフレ率は25%を越すレベルが続き、
イギリスの通貨ポンドはジワジワと価値を下げ始めていた。

 

というのも周辺国のインフレ率は10%前後に留まっていたのに、
イギリスだけは20〜30%ものインフレが続いていたから、
相対的にポンドの価値が下がり始めていたのだ。

 

ポンド安は輸入品価格を上昇させ、
インフレをさらに推し進めることになった。

 

ところがここでイングランド銀行はなんと、
イギリス・ポンドの切り下げを画策しはじめた。

 

ポンドの相対価値が下がっているのを利用して
輸出品が国際競争力を持つ水準まで
ポンドの価値を一気に下げてしまおうという作戦だ。

 

自国通貨の価値が下がれば、輸出品の国際競争力は増す。
逆に輸入品価格は割高になって、国内製品が売れるようになる。

 

そうなれば在庫調整も進み、新たな投資も始まり経済も活性化するから、
ポンド安に誘導して経済に勢いをつけようとしたのだ。

 

ところが70年代にはもう、国家が為替レートを操作するなんてことは、
殆どできない時代になっていたから、これは逆効果になってしまった。


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為替レートは一国が操作できるようなものではない

自国通貨の為替レートを低く操作して
輸出を伸ばし海外から投資を呼び込むのは、
今や中国の専売特許になってしまった。

 

しかしイギリスもかつて、
そう言うアイディアを思いついていた。

 

つまりイギリス・ポンドを切り下げて、
経済を活性化しようと言う作戦だ。

 

自国の通貨が安くなると輸出品の国際競争力が増す。

 

反対に輸入品の価格は上昇するので、
国内で作る類似品や代替品は売れやすくなる。

 

どちらにしても国内の生産が増えるので、
経済が活性化するという結果になる。

 

ただし実勢レートより為替を安く誘導するのは難しい

 

お金が紙くずになるのでは?という場合しか大きく下がらない。

 

というのも為替レートはそれぞれの国の経済成長率や物価上昇率、
国際収支などのマクロ的経済指標(ファンダメンタルズ)によって決まり、
小手先の介入ではすぐに元の水準に戻ってしまうからだ。

 

高すぎると思われた通貨はどんどん売り浴びせられ、
安すぎると思われた通貨はどんどん買われて、
元の為替レートに戻ってしまうのだ。

 

日本も急激な円高は困ると再三再四、何度も為替介入を行っているが、
為替レートはすぐに元の水準に戻ってしまう。

 

為替レートというのは相対的なもので、
たとえ日本円に大きなマイナス要素があっても、
ドルやユーロなどの他の通貨にも大きなマイナス要因があれば、
相対的な価値は変わらないからで、一国でどうこうできることではない。

 

 

NEXT:為替レート安定は、最優先の国家政策


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