民営化と規制緩和で公務員22%削減

民営化と規制緩和で公務員22%削減

英国病の原因は、社会主義?

サッチャーは、質素倹約、勤勉を美徳とする
メソジスト派のキリスト教徒であった。

 

また個人の自由を尊ぶリバタニアンであり、
労働組合による労働者の束縛は、
悪であると非難していた。

 

サッチャーによると、衰退するイギリス経済の元凶は、
国民の生活に口出しする大きな政府であり、
個人の自由な経済活動を保証する
市場経済こそが有効であるという。

 

高インフレと不況の併存が英国病であるが、その原因は、

  • 行政頼りの風潮を煽る大きすぎる政府
  • 生産性が低く投資が欠如している公共事業
  • 個人の機会の閉塞感(企業家精神の減退
  • 行き過ぎの社会福祉
  • 景気と関係なく賃金アップを求めてストを行う強すぎる労働組合

であるという。

 

なので国家の負担が大きなNHS(国家医療制度)の充実や、
炭坑庁など、赤字の国営企業への補助金支出、
教育機関への支出増加は、悪い政策と断じて減らした。

 

そして国営企業の民営化、公営住宅の売却、
産業への規制緩和、高所得者の減税などを進めて、
企業家精神の復活を狙った。

 

サッチャーは財政規律を正すため、
財政支出の3分の2を占める福祉・教育・軍事で削減を求め、
金食い虫の三隻の空母の売却の準備もした。

 

ところがイギリスの軍事費削減をチャンスと見たアルゼンチンが
フォークランド諸島を占拠したため、削減し損なってしまった。

 

サッチャーの毅然とした態度によってフォークランド紛争には勝利したが、
その一方で、軍事費の削減は棚上げになった。



民営化と規制緩和

サッチャーは、イギリス経済低迷の原因は、
企業家精神が社会主義によって
物質的にも精神的にも封じ込められて
しまったことだと考えていたらしい。

 

なので古き良き質素・倹約・勤勉という
プロテスタントの価値観を
イギリスに復活させようとした。

 

その一つの方法が、民営化と規制緩和で、
まず国営の貨物輸送会社を民営化してみた。

 

その結果、驚くべき効率化が達成されたために、
政権2期目では、BP(英国石油) 英国航空、ケーブル&ワイヤレス、
ブリティッシュテレコム、ジャガー、ロールスロイス、ブリティッシュスチール、
北海油田、ブリティッシュガスなどの民営化に着手した。

 

これらの国営企業の民営化では、株式の一部を従業員にも割り当て、
株主としての権利と責任を実感させようとした。

 

また88年には、6段階だった所得税の累進課税方式を、
2段階に改めて、最高税率も大きく引き下げた。

 

これは高所得者層の減税を行って
景気刺激しようとしたモノだったが、
なぜか税収はさほど変わらず、景気刺激にはならなかった。

 

サッチャーの改革は、行政改革に集中し、
公務員にも官僚にも、コスト意識と能率を求めた。

 

国家公務員は79年には約73万人だったが、
89年には約57万人まで減らし、22%もの削減に成功した。

 

地方自治に対しては、政府からの補助金削減によって、
自治体の自立を働きかけた。

 

また地方分権が労働党や労働組合による支配によって
歪められていると考えたサッチャーは、
中央政府が国民を直接支援する体勢を整えた。

 

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