国の借金は毎年30~40兆円ずつ増えている
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日本の行政債務残高は約1,000兆円。
大雑把に言うと、国が800兆円で、そのうちの110兆円が財投債。
地方債など地方自治体などの借入金残高が約200兆円。
合わせて1,000兆円というのが2012年度末の日本の状況である。
ということでまた、推移グラフに戻ってみる。
歴代内閣と国債・地方借入金残高の推移
小泉政権で行政債務残高が317兆円増えた後は、3年ほど残高が殆ど増えない状態が続く。
これは実は小泉政権の成果と考えて良いだろう。
これは小泉政権が国債発行額を30兆円まで圧縮することを目標にして歳出削減に、ある程度成功したおかげだ。
小泉政権では、国債の発行額を30兆円に抑えるというのを一つの大きな公約にしていた。
そのために国債を発行せずに済むよう、歳出(国の支出)をドンドン削っていったわけだ。
特に経済学者の竹中平蔵大臣は、毎年の歳入と歳出のバランス(プライマリーバランス)を、ゼロにしようと躍起になっていたので、とにかく歳出を抑える策に出ていたわけだ。
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赤字国債の増加は一旦止まったが、そこでリーマンショック
小泉政権下では、317兆円もの国債残高を増やしたが、その後の3年間には、国債残高が殆ど伸びていない。
これは小泉政権のいわゆる「聖域なき構造改革」で、歳出を削れるだけ削った効果が出てきたと言うことだろう。
その結果、小泉政治を引き継いだ安倍・福田内閣では、国債発行高を抑えることが出来て、行政債務残高の増加は一旦収まることになった。
どういう事かというと、次のグラフを見てみると分かる。
歳出・歳入・財政赤字・公債発行額の推移
これをみると、小泉政権時代から麻生政権までは、歳出がずっと84兆円以下に抑えられている。
これによって年間の財政赤字が圧縮され、余分な赤字国債の発行が抑えられていたというわけだ。
また景気も多少良くなって、小泉政権の後を受けた安倍・福田の両首相がたった1年で辞意を表明したときも「あれ、何で辞めるの?」という状態だったからね。
ところが2008年夏のリーマン・ショック以降、世界的に景気が低迷して、また歳入が減ってしまった。
それに加えて政権交代が起こり、民主党が大幅に歳出を増やしてしまい、一方歳入はさらに下がって40兆円を割ってしまった。
それでなんと62兆円もの莫大な歳入不足が発生し、またまた赤字国債増発状態に戻ってしまったわけである。