免許を取るだけの番組にTOYOTAはなぜ金を出す?
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生活水準が高くなって、生活を向上しようと言うハングリー精神を失った日本人。
こういう状況では、GDPだけじゃなく、一人あたりGDPの成長も難しい。
というのも生活を向上させるためにお金を積極的に使おうとはしないから。
途上国の国民なら、卵も食べよう、牛乳も飲もう、肉や魚も食べようと言う欲がある。
立派な車を乗り回し、狭い四畳半の部屋から出て、広い家に住みたいという欲がある。
そのために頑張って働こうというハングリー精神があって、これによって経済は成長し、発展するわけである。
かつての日本人にも、こういうハングリー精神があったが、今の日本には、そんなモノはない。
今や、ソコソコ旨いものなら数百円程度で手に入る。
牛丼は300円もあれば食えるし、寿司だって回転寿司なら1000円もあれば満足できる。
車だって、交通の便がよい都会を中心に車離れが進み、車を持ちたいと思う若者の割合がドンドン減っている。
車を持ちたいと思う人が減れば、当然自動車の売り上げも減るし、高級車へのニーズも減るから大変だ。
だから世界のTOYOTAだって、今やカッコいい車のCMではなく、20年後のドラエモンで「免許を取りましょう」というCMを展開している。
そしてAKB48の前田敦子さんを起用して、AKB自動車部という免許取得番組まで始めて、若者にドライブの楽しさを広めようとしている有様。
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持ち家率74%以上、空室400万戸以上では、住宅需要は見込めない
美味しいモノを食べたい。
良い車に乗りたい。
広い家に住みたい。
これが高度経済成長期の日本人に共通する強い願望であったはずだ。
ところが今やソコソコ旨いモノは、ほんの数百円から千円前後で食べることができる。
また交通の便の良いところで育った人間が増えたせいか、車を持ったりドライブしたりという趣味に、お金を払う若者がドンドン減る状態。
TOYOTAなど、車を売るためのCMどころか、人気者のAKB前田敦子さんを起用して免許を取ってドライブしようと言うCMや番組を一生懸命テレビに流している有様だ。
そして三つ目の住宅に対する願望だって、全く違うモノになっている。
というのも実は既に持ち家率が74%を超えているし、空き家は750万戸に達している。
アパートなど賃貸住宅の空室率は23%(2009年・全国賃貸住宅新聞社調べ)で、全国でなんと409万戸もの空室が発生している。
東京や大阪などの三大都市圏以外では、賃貸住宅の空室率30%を超える都道府県がほとんどで、交通の便がよい神奈川県でも24%前後。
つまり賃貸住宅4戸に約1戸が空室という状態だ。
こんな状態では、家賃はジワジワ下がる一方だから、交通の不便な土地に家を建てるより、交通の便がよい都市部の物件を借りた方が経済的で、はるかに良い暮らしができる。
こんな状態では、経済成長につながる強い願望がないから、経済が衰退するのは当然だ。
NEXT:実質GDPは増えている。
給料は増えないが、買えるモノは増えている。