経済成長しておれば、多少借金が多くてもやっていける
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国債残高が問題になっている原因は、日本の経済規模に対して借金が大きすぎるということである。
経済規模を表す指標と言えばGDP(国内総生産)であり、国の借金問題はたいてい対GDP比で考えて多寡(多い少ない)を測る。
これはGDPが大きければ税収も多いので、借金も返す能力が大きいと考えられるせいだ。
現在の日本の行政債務残高、つまり国債や地方債などの合計は約1000兆円で、GDPは470兆円だから、対GDP比は200%を超えている。
つまり500兆円弱の経済規模に対して1,000兆円の借金は大きすぎるだろってことだ。
しかしもちろん、いきなりこんなにひどい状態になったわけではない。
日本の借金とGDPの推移をグラフにしてみると、こうだ。
日本の行政債務残高(国債+地方債)とGDPの推移
このグラフだと1995年から2005年まで、急激に国の借金の対GDP比が伸びていることが分かる。
そして1991年以降、GDPがずっと横ばい状態だったことが分かる。
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アメリカは、日本以上に借金を抱えているが
日本の行政の1,000兆円もの借金。
こんなにデカイ借金を抱えているのは、実は世界でも2カ国だけである。
それが実はアメリカ合衆国。
アメリカも実は日本と同じくらいデカイ借金をしている(約11兆ドル)。
しかも地方自治体の借入金も合わせると、4,000兆円前後も借金があるらしい。
しかしアメリカ合衆国は、日本ほど悲観的な状況にはないと考えている。
というのもアメリカの場合は地方自治体の借金は、地方自治体が勝手に借りているだけで、連邦政府には何の責任もないからである。
そしてアメリカ政府の借金は日本と同じくらいあるが、アメリカのGDPは日本の3倍くらいあるし、アメリカのGDPは右肩上がりで伸びているからだ。
アメリカの中央政府の行政債務(国債)とGDPの推移をグラフにして見ると、日本との根本的な違いが分かる。
特に名目GDPの推移(緑色の棒グラフ)を日本のグラフと見比べてみよう。
アメリカ(GDP1位)の行政債務とGDPの推移
この二つのグラフを見比べれば、日本のGDPは1991年当たりから急に伸びがストップし、一方のアメリカは2008年のリーマンショックまで、右肩上がりに伸びていることが分かるだろう。
つまり日本の借金の根本的な問題は、GDP、特に名目GDPが増えなくなったことに最大の原因があるということなのだ。
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