事務所の垣根を越えて、他のメンバーを引き立て合うのが今の時代。

事務所の垣根を越えて、他のメンバーを引き立て合うのが今の時代。

世界の行政改革と日本

全員の良さを引き出す集団芸

誰かがギャグを言ったときに、みんなでズッコケる。

 

誰かが「じゃあオレがやる」と言って手を挙げたときに、他の者も口々に同様のことを言って手を挙げ、誰かがしぶしぶ「じゃあオレもやる」と言ったときに、皆で一斉に手を下ろして「どうぞどうぞ」という。

 

こういう集団芸のようなフォーマットを、吉本のタレントはたくさん持っていて、見事なまでにそれをこなしていく。

 

これは元々吉本新喜劇の笑いのパターンであり、またNSC出身の師匠を持たないノーブランド芸人達が集団で編み出した笑いのフォーマットでもある。

 

だから20年ほど前に関西の番組で、若手対ベテランの大喜利合戦のような企画があって、若手芸人がある集団芸を披露したのだが、そのとき、桂きん枝などのベテラン落語家が「それ面白いな」と言って感心したりしていた。

 

もちろんそれ以前にも、落語家が集まって落語劇をやったり、大喜利をやったりすると言うことはあったわけだが、漫才師が集まって集団で笑いを作るというのはなかった。

 

落語家さんの場合は、落語の演目を共有していて、違う師匠の元に稽古を付けてもらいに行くこともある。

 

しかし漫才の場合は共通フォーマットが無く、師匠が違えば話し方や笑いを取るパターンは異なるから、それ以前は同じ漫才師だと言っても協同して作るような笑いは難しかったのかも知れない。

 

つまり同じ学校で学んだ仲間であるからこそ、皆でタイミングを合わせる集団芸が可能になったわけで、集団芸のフォーマットが確立したからこそ、他事務所のタレントでも、それに参加できる条件が揃ったわけだ。

 



事務所の垣根を越えて、お互いを引き上げる。

笑いを起こし、番組を盛り上げる様々な笑いの集団芸。

 

これらは元々吉本の若手芸人達が若手専用劇場などでやっていたことである。

 

吉本以外の事務所では、お笑いタレントが少なく、集団で笑いを取るという必要もなかったので、こういうやり方が発達しなかったのだろう。

 

しかしこれはフォーマットであるから、参加しようと思えば誰でも参加できる。

 

なので他事務所のタレント達も様々な番組で吉本芸人達のこの集団芸にドンドン参加したり、自分たちでも新しいフォーマットを作り始めた。

 

そして今や全く別事務所に所属しているタレントが、同じ番組に出演しているというだけで、お互いに相手を立たせるために、様々なお約束を仕掛け合うのも珍しくなくなった。

 

他事務所のタレントとも上手く絡めるかどうかが、その芸人の腕の見せ所であり、実力であるという評価もされ始めた。

 

その一方で、この輪の中に入れない芸人は、いくら本芸が達者であっても番組に呼ばれにくくなった。

 

他の出演者を上手く引き立たせることができない芸人は、番組を盛り上げたり、番組をまとめることはできない。

 

そしてまた番組の雰囲気から浮いてしまいがちなので、敬遠されてお呼びがかからなくなってしまうわけだ。

 

一発屋とよばれる芸人の多くは、ギャグが面白いから人気が出るが、それが他の芸人と絡めないようなギャグだと浮いてしまう。

 

なので他の芸人と絡めない芸人は、人気が出ても1年たったらテレビから消えていくことになるわけだ。

 

今や番組やイベントを盛り上げ、出演者全員を引き立たせられる人材。

 

そう言う能力と人材が高く評価され、重宝されるようになったわけだ。

 

NEXT:吉本とAKBの成功方程式(1)やりたい人間を集めて競い合わせる。

 


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