日本は何故1人負けしたのか?
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経済規模を示すGDPが、20年前まで戻ってしまった日本。
先進国の集まりであるG7で、こんな事が起こっているのは日本だけである。
もちろん、お隣の韓国を見ても、GDPは20年間で5倍にも増えているし、中国の経済発展は言わずもがなである。
韓国の行政債務とGDPの推移
AKB48の姉妹グループJKT48ができたインドネシアでもここ十年の経済発展はめざましいモノがあるから、変な話、北米・ヨーロッパ・アジアの中で、日本の1人負け状態なのである。
何故こんな1人負け状態になってしまったのかといえば、90年代初めのバブル崩壊によって、土地の値段や株価が下がり続けたこと。
80年代後半から日本の景気が非常に良くなって、お金あまり状態になったせいで、土地の値段や株価がうなぎ登りに上がってしまった。
しかしお金がお金を生む状態は、いわば泡のようなモノであるから、いつかは実質価値まで値段が下がるもの。
それが90年代初めの日本で起こったわけだ。
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バブル崩壊が日本に失われた10年をもたらした?
日本の失われた20年。
最初の10年はバブル崩壊の後遺症によって起こった。
80年代後半のバブル経済時代には、土地の値段はアホみたいに上昇し、都市部の普通のマンションまで1億円を超えるようになった。
この直接の原因は、銀行が土地を担保にしていくらでも金を融資した(貸した)からである。
当時の日本には「土地神話」というのがあって、土地の値段は絶対に下がらないものだと言われていた。
なので土地を担保にすれば、銀行はいくらでも安心してお金を貸し出すことが出来たのだ。
ただこれは、日本独自の価値観であって、経済学的には値段が下がらないモノなど存在しない。
というのも土地の値段というのは普通、その土地を使って稼げるお金の額によって決まるはずだからだ。
たとえば1ヘクタールの田んぼで5トンの米が作れて、それで毎年500万円儲けることが出来るとしたら、その土地の値段は500万円の10倍の5000万円とか、20倍の1億円と言う風に決まるわけである。
売り手側から見れば、その土地を持ち続けて米を作れば20年間で1億円儲かるのに、それをわざわざ安い値段で売る必要はない。
買い手側から見れば、その土地を買えば将来的に1億円以上稼げると考えるから1億円で買おうと思う訳だ。
そうやって売り手と買い手の思惑と妥協の結果、土地の値段は決まるはずなのだ。
そう言う風に土地価格は決まるというのが経済学が考える価格決定論である。
ところがバブル期の土地価格は、そうではなかった。
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