成功フォーマットの共有
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AKB48とヨシモト、共通点の三つ目は「成功フォーマットをメンバーで共有する」ということだ。
たとえば吉本では、誰かがギャグを言ったり、逆に肩透かしをしたりすると、全員でコケるのが「お約束」だ。
他人のギャグや肩透かしでみんながこけて、自分のギャグや肩透かしにみんながこける。
これは全員でやらないと面白くないから、素人が飲み会の席でギャグを言っても白けてしまう。
「なんやそれ!」「やらんのかい!」こういうツッコミがあってこそ、笑いが起こり、その笑いがまた次の笑いにつながるわけだ。
それが分かっている芸人達は全員で笑いを取りに行き、また他人のギャグのアシストをする。
逆にそれが分かってない芸人は、自分だけ笑いを取ろうとして場の雰囲気から浮いて、人気もなくなっていく。
笑いの成功フォーマットがありながら、それをやらなかったり、それに参加しないのであれば、笑いを潰すわけだから、当然舞台から降ろされる。
一発屋芸人が消えていくのには、実はこういう成功フォーマットに、上手く絡めないと言う事情がある。
「ゲッツ!」「ルネッサーンス!」「ヒロシです…」演芸としては成り立つが、流れの中に入れることができないギャグ。
いや、入れようと思っていないから、一発屋になってしまうわけだ。
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アイドルとは何か、公演曲で学ぶ
芸人の場合、笑いが起きるパターンには限りがあるしテレビやラジオで公開するモノなので、成功フォーマットは誰でも共有できる。
いわば素人でも真似できるというのが笑いの成功フォーマットである。
しかしアイドルの場合は、成功フォーマットを共有するのは難しい。
そう言う意味では、AKBのシステムというのは、思った以上に凄いシステムかも知れない。
というのもAKBグループの場合、研究生というのはまず、古い公演の再演や代役から入る。
たとえばAKB48の場合は、16人ずつ4つのチーム(A・K・B・4)に分かれているが、2番目にできたチームK以降は、全て他のチームのやった公演の再演からスタートしている。
これはSKEでもNMBでもHKTでも同じで、全てAKB(あるいはSKE)でやった公演を再演し、そこから色々学ぶ。
またAKB本体のヒット曲は、全員が覚えて踊れるように練習する。
こうやって「AKBの型」を学ぶわけである。
というのも数百曲もあるという公演曲には、全てに衣装と振り付けがあり、様々なアピールポイントがある。
それをコピーして練習することで、アイドルとしての成功フォーマットを共有し、受け取るわけだ。
1から独りよがりで成功フォーマットを模索するのではなく、既に成功しているフォーマットを受け継ぎ、共有し、そこから自分なりの成功フォーマットを見つけていくわけだ。
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