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財政投融資特別会計とは
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財政投融資とは、簡単に言うと、国が行う投資や融資ってことだ。
たとえば道路を造ったり、港や空港を整備したり、国立大学や国立病院、住宅などを作るには、膨大な資金が長期間にわたって必要になる。
ところが民間の銀行などから融資を受けて事業を行おうとすると、安定的に融資を受けるのが難しい。
というのも景気の善し悪しで借りれる金額も利息もクルクル変わるから。
特に景気の良いときは銀行も貸出先がたくさんあるから、高い利息でないと借りることが出来ないし、あまりたくさんお金を借りることも出来ない。
これでは安定的な融資を受けることも、公共性の高い投資も後手に回ってしまう。
なので長期的視点から投資が必要な事業に対して、民間から借りる代わりに政府がお金を貸す。
これがつまり財政投融資というヤツになる。
この財政投融資には、郵便貯金や年金で集めたお金が充てられた。
そして大蔵省(今の財務省)運用部が郵便貯金や年金で集めたお金をどう融資するか計画を作った。
この投融資計画がつまり「財政投融資計画」で、毎年「特別会計」として国会で審議されているわけだ。
そしてこの特別会計は、明治11年(1878年)から始まったのだが、公共性の高い投資なので、戦後は年々規模が大きくなり、「第二の国家予算」などという呼び方もされるようになった。
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財政投融資で賄われる特別会計とは
財投債は、国が行う財政投融資の資金を調達するもので、その収支は「特別会計」という名前で報告される。
つまり特別会計を見れば、財投債でどのような事業が運営されているか、大まかなことが分かるわけだ。
で、どんな特別会計があるのかというと、次のような特別会計がある。
1.公共事業関係の特別会計
- 道路整備特別会計
- 治水特別会計
- 港湾整備特別会計
- 空港整備特別会計
- 都市開発資金融通特別会計
2.社会保険事業関係の特別会計
- 厚生保険特別会計
- 国民年金特別会計
- 船員保険特別会計
- 労働保険特別会計
3.その他保険事業関係の特別会計
- 農業共済再保険特別会計
- 漁船再保険及漁業共済保険特別会計
- 地震再保険特別会計
- 森林保険特別会計
- 貿易再保険特別会計
4.農林水産関係の特別会計
- 国有林野事業特別会計
- 国営土地改良事業特別会計
- 食糧管理特別会計
- 農業経営基盤強化措置特別会計
5.行政的事業関係の特別会計
- 自動車損害賠償保障事業特別会計
- 自動車検査登録特別会計
- 特許特別会計
- 国立高度専門医療センター特別会計
- 登記特別会計
- 特定国有財産整備特別会計
6.エネルギー関係の特別会計
- 電源開発促進対策特別会計
- 石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計
7.融資事業・資金運用・整理区分関係の特別会計
- 産業投資特別会計
- 財政融資資金特別会計
- 国債整理基金特別会計
- 外国為替資金特別会計
- 交付税及び譲与税配付金特別会計
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