日本の国債・地方借入金残高は約1,000兆円!
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日本の国債と地方借入金の残高が2012年度末でおよそ1,000兆円。
これは日本のGDPの2倍以上。
つまり一年間で日本国内で生産された富(あるいは消費総額)の2倍もの借金だ。
国債の発行残高は800兆円で、国の税収総額は約40兆円だから、なんと歳入(年収)の約20倍もの借金だ。
しかし何故こんなに借金がでかくなったのか。
まず現状認識のために、歴代内閣と国債・地方借入金残高をグラフにしてみた。
歴代内閣と国債・地方借入金残高の推移
日本の借金が1,000兆円!というのは、分かりやすく言っているだけで、実際は2012年現在で国が800兆円弱、地方が200兆円前後になっている。
また国の800兆円弱のうち、110兆円ちょっとは財投債と言って、後で述べるがちょっと普通の国債とはタイプが違う。
財投債は国立大学など、政府系の収益組織に貸し付けるための国債でこれは実質的に利払いがない国債なので、除外して考えることも可能である。
ということで2012年現在では、国と地方を合わせて合計900兆円の借金があることになる。
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小泉政権はバラマキ政権だった?
歴代内閣と債務残高のグラフを見ると、小泉政権時代に爆発的に国債残高が増えているのが目立つ。
その額なんと317兆円(5年間)。
小泉政権は骨太の改革とかいって、福祉も公共投資もドンドン削っていった印象があるが、実際は他の政権同様、借金残高を増やしているのだ。
しかしその約半分を占めるのが財投債(ざいとうさい)。
財投債とは、財政投融資のために使われる資金を調達するための国債だ。
正式名称は、財政投融資特別会計国債という。
財投債残高は現在110兆円で、現在の国債残高の7分の1程度を占める。
これは財政投融資のための財源で、たとえば国立大学などに運営資金などを貸し付けている。
財投債というのは政府関連機関にお金を貸すための国債で、他の国債(建設国債・赤字国債)とは性質が多少違う。
要するに集めたお金は他の組織に貸し出されてその分の利息を受け取るわけだから、収支トントンの国債だ。
財投債で集めた資金の貸出先は、
- 沖縄振興開発金融公庫
- 株式会社日本政策金融公庫
- 独立行政法人国際協力機構
- 日本私立学校振興・共済事業団
- 独立行政法人森林総合研究所
- 独立行政法人福祉医療機構
- 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
- 独立行政法人水資源機構
- 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
- 独立行政法人日本学生支援機構
- 独立行政法人国立大学財務・経営センター
- 独立行政法人国立病院機構
- 独立行政法人都市再生機構
- 独立行政法人住宅金融支援機構
- 株式会社日本政策投資銀行
公務員の天下り先としても有名なところがいろいろあるね。
ただしこの財投債、借金総額に加えるかどうかは議論がある。
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一体その中身は何?