日本がすぐに解決すべき問題(1)財政赤字削減
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高齢化のピークをまだ20年も先に控え、先行きが見えなくなった日本。
日本の今すぐの課題は財政赤字と国債残高の異常な増え方だ。
特に国債の利払い費用はすでに、年間10兆円を超えている。
歳入(収入)が40兆円あまりしかないというのに、10兆円も利子を払わねばならない有様。
これは年収400万円の人が借金のために、毎年利子を100万円も払っているようなもの。
元金を返済するどころか利払いだけでこれだから、健全な財政とはほど遠い。
多重債務者状態だ。
だからIMF(国際通貨機構)は日本に対し消費税を15%まで引き上げて税収を増やすように促しているわけだ。
なにせGDPが世界第3位に後退したとはいえ、日本の経済規模はドイツやフランスの倍近くある。
そんな日本が沈没したら世界経済にも大きな影響が及ぶ。
ただ日本の国債発行残高が多過ぎると言われる理由は、日本の名目GDPが伸びていないことが原因だ。
GDPが伸びれば税収も増えるし、その分、財政赤字も減るのだが、逆にGDPが減るという異常事態が発生したので、国債発行残高が急激に増えているわけだ。
日本の行政債務残高(国債+地方債)とGDPの推移
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日本がすぐに解決すべき問題(2)経済成長
国の債務残高は、対GDP比という形で表して、多いとか少ないとかが議論される。
国や地方自治体というのは、歳入(収入)の殆どが税金によるものだから、徴税領域の経済力と比べてるわけだ。
ギリシャの財政破綻問題では、ギリシャの債務残高がGDPの160%以上もあり、毎年、巨大な財政赤字が発生していたのを、前政権がずっと隠していたと言うところに大きな問題があった。
そんな財政赤字があると分かってたら、リスクの高いギリシャ国債なんか誰も買わなかったし、そうすればギリシャもこんなに借金を抱えなかっただろう。
しかもその債務の殆どがユーロ建てで、ドイツやフランスの銀行が買い込んでいたから困ってしまった。
というのもギリシャが借金の借り換えに失敗して、デフォルト(債務不履行)宣言でもして、貸した金が戻ってこなくなったら、ドイツやフランスの銀行が大ダメージを受ける。
銀行がダメージを受けると90年代の日本のように銀行が企業にお金を貸し渋ってバタバタと倒産してしまいかねない。
こりゃあマズいということでEUは基金を作り、ギリシャに緊急資金援助をして支えているわけだ。
そんなギリシャの場合は対GDP比160%だが、日本の行政債務残高は約1000兆円で、日本のGDP(名目)は480兆円前後。
なんと対GDP比で200%以上にもなっているから待ったなし。
ここはなんとか行政改革で財政支出を減らし、経済を成長させてピンチを切り抜けるしかないわけである。