「教育の平等」とは、義務教育でも留年させて勉強させること。

「教育の平等」とは、義務教育でも留年させて勉強させること。

世界の行政改革と日本

プリスクールと留年と卒業延期と補習

フィンランドの義務教育では、できない子供を減らす為の制度が色々ある。

 

それがプリスクールと留年と補習と卒業延期だ。

 

たとえば就学前教育の「プリスクール」。

 

フィンランドでは小学校に入る前に1年間、プリスクール(プレスクール)に子供を通わせる。

 

プリスクールは保育所や小学校で行われ、小学1〜2年生と合同で体育をやったりする。

 

ここで子供が学校に通えるほど成長しているかを見て、十分でなければ1年間、入学を見合わせる。

 

また「留年」と「卒業延期」制度もある。

 

義務教育期間中、つまり小学生でも中学生でも、授業に付いていけないようであれば留年させる。

 

学業の評価は4〜10の7段階評価だが、4を二つ取ると自動的に留年になる。

 

もちろん留年を減らす為の施策もあって、理解不十分な生徒に対しては、1日1時間だけ補習を受けさせることができる。

 

ただし補習授業は、補助教員が担当するため、教師の負担はない。

 

フィンランドでは残業の割り増しが法律で高率に設定されているので、正社員はできるだけ残業させないと言う社会らしい。

 

また9年生(中学3年生)の後に、わざわざ10年生(中学4年生)を作り、希望者には1年卒業を延期できる制度もある。

 

フィンランドで言う「教育の平等」とは、教育の地域差・学校格差を減らすという意味と、子供それぞれの能力にあった指導をするということで、そのためには留年も必要だと言うことらしい。

 



できるまでやらせないと、できるようにはならない

中学の卒業を1年間延長できる「10年生」という制度は、なかなか優れた制度だなと思う。

 

私も10年ほど個別式の学習塾で小中学生に勉強を教えているが、「もう1年あれば、もっとできるようになるのに」と思う生徒をたくさん見てきたからだ。

 

というのも軽度の学習障害を持つ子供は、読み書きに難があって読む速度が遅い。

 

そのためにどうしても練習量が不足して、成績が悪くなるという繰り返しなのだ。

 

そして友達と同じ時間だけ勉強しているのに、成績が全然悪いもんだから、だんだん勉強するのをあきらめてしまう。

 

「もうちょっとやればできるようになるのに」という手前でやめてしまうもんだから、非常に残念。

 

「できるようになる」には、「できるようになるまで練習する」必要があるが、そこまで練習しないであきらめてしまうから、いつまでたってもできないのだ。

 

小学生くらいの年齢では、脳の発達度合いに大きな差があって、できるまでやらせるのは、可哀相な部分もあるが、中学生くらいになれば、できるまでやらせないとダメだろう。

 

ただし10年生の制度は強制ではなく希望制だ。

 

10年生を希望する者は高校入試が終わった後に申請すればよいらしい。

 

フィンランドの場合、中学を卒業したら、普通科高校か職業訓練校に進学するのだが、普通科高校は中学最後の成績が平均7以上ないと合格できない。

 

また職業訓練校も学校の成績を元に合否を決めるので、希望の訓練学校に入るには、良い成績を取らねばならない。

 

なので中学最後の成績が良くなくて、希望する学校へ進学できなかった場合、、もう一年中学校で勉強して高校入試に再挑戦できる。

 

人口が540万人しかいないフィンランドでは、1人でも多く国を支える有能な人材が必要だから、こういう風な様々な制度的工夫で、学力の底上げを図っているわけだ。

 

NEXT:フィンランド流、落ちこぼれを減らす方法。

 

教師にアメと鞭


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