土地がなければ銀行はお金を貸さなかった
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土地は値下がりしない。
土地を持っていれば損しない。
こういう土地神話が定着した結果、銀行は土地や不動産を担保にしてお金を貸すのが当たり前になった。
つまり「土地や不動産を持っていればお金は貸せるが、そうでなければお金は貸せない」ということである。
これによって土地を持っている人間と、持っていない人間で、大きく差が付くようになった。
何かの事業を始めようと思っても、土地を持っている人間はすぐに融資が受けられる。
しかしいかにビジネスモデルが優れていようとも土地を持たない人間には、銀行から融資が受けられない。
こういう風潮が蔓延し、定着してしまった。
これによって、さらに土地の価値が上がることになった。
だって土地を持っていないと融資が受けられないのだから、ビジネスを始めようと思ったら、必要がなくても土地を手に入れないといけなくなったわけだから。
そうすると土地に対する需要はさらに増えて、地価は経済学で考える価格より明らかに高くなった。
将来の値上がり分を見越して価格を決めれば、現在の価格の何割も高く売ろうとするのは当然の話だから。
そうして80年代後半に巨大な貿易黒字が発生した頃には、土地というのは投機目的で買うモノになってしまい、その結果、土地バブル・株バブルが発生した。
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土地バブル
土地を持っている者は銀行から融資が受けられる。
すなわちお金が借りられる。
一方、土地を持っていない者は、いくらビジネスモデルが優れていても、銀行はお金を貸してくれない。
こういう風潮になったせいもあって、さらに土地の値段が上昇した。
そして土地を持っている人間は、持っている土地を担保にして銀行から金を借り、その金でまた土地を購入するということを始めた。
何しろ土地を持っていれば儲かるわけだから、持っている土地を増やせばさらに儲かる。
なので新しく買った土地も担保にして銀行から金を借り、さらに土地を購入するという事を繰り返し始めた。
そのせいで土地の価格はドンドン上がっていき、その資金は株式市場にも流れていって株価を押し上げた。
これがいわゆる「土地バブル・株価バブル」の発生だ。
ところが土地価格が異常に上昇すると、産業活動に支障が出る。
工場を建てたり商業ビルを建てようと思っても、土地が高すぎて採算が合わなくなる。
これは経済にマイナスだと言うことで、政府は1990年春に土地売買に対して通達を出した。
つまり土地購入のための融資を制限して、地価の高騰を抑えにかかったわけだ。
これがいわゆる「総量規制」と呼ばれるモノだが、これを境に地価は下がりだした。
バブル崩壊の始まりだ。
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