フィンランドでは義務教育で4カ国語を学ぶ!
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フィンランドの初等教育、小学校1~2年生では、フィンランド語の学習に時間をかける。
3分の1から4割くらいの時間をかける。
と言うのも実は、フィンランドではなんと義務教育で4カ国語も言語を学ぶのだ。
大まかに言うと、小学校3~4年から英語。
中学からは第二外国語を学ぶのだが、その他にどこかの学年でスウェーデン語も学ぶことになっている。
フィンランド国民のほとんどはフィンランド語で生活するが、一部地域ではスウェーデン語を話すし、公用語はフィンランド語とスウェーデン語なので、スウェーデン語も一通り学ぶことになっているわけだ。
そのためにまず1~2年のウチに母国語であるフィンランド語を徹底的に学習し、そこから他の言語の学習に入る。
しかし義務教育期間に4カ国語とは、、しかも英語やドイツ語やスウェーデン語などは皆、ヨーロッパの言葉で似ているから、そんなにたくさんの外国語ができるのかと言えば、そうではない。
と言うのもまず、フィンランド語は、ウラル・アルタイ語属に属し、英語やドイツ語とは文法が違う言葉だ。
英語とドイツ語、スウェーデン語とデンマーク語は兄弟言語であるが、フィンランド語だけは周囲に似た言語がない不思議な言語。
同じウラル・アルタイ語属に分類される日本語との共通点があって、ちいさな「っ」(促音便)が多用されるという特徴があるという。
つまりフィンランドで4か国語も学ぶのは、遊びじゃなく必要だからだ。
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母国語だけでは食っていいけない国。
フィンランド語は不思議なことに、周囲の国々の言葉とは全然違う言語だ。
英語やドイツ語、スウェーデン語よりも、日本語や韓国語に近いという。
さらにフィンランド語では、口語と文語が無茶苦茶違うらしい。
これも日本語と共通点があり、江戸自体までは日本語も口語と文語が大きく違っていた。
文語で書かれた手紙ならば日本中どこでも話が通じるが、口語(つまり方言)では、言葉がほとんど通じないのが当たり前だった。
なのでフィンランド語学習だけでも大変なのだが、小学校3年生からはもう英語学習を始める。
というのも日本で言うと北海道くらいの広さの国土に、500万人ほどの人間しか住んでいない小国だから、国や国民が生き残るためには世界を相手にするしかない。
そのために必要なのが英語であり、英語ができなければ職業選択の幅は一気に狭まってしまう。
また学問を修めるにしても、フィンランドで書かれた専門書など無い。
高校や大学で用いる専門書は、ほとんどが英語で書かれたものである。
なぜならフィンランド語を使うのは500万人前後しかいないから、外国の専門書籍をフィンランド語に翻訳して出版しても元が取れない。
ハリーポッターのような大ヒット作くらいしかフィンランド語に翻訳されず、たいていの場合は英語で書かれた本を読まざるを得ないのである。
外国語教育の目的は、他の言語に慣れ親しませること、他の文化で人間がどのように生きているのかを理解し、尊重するように教育すること。
…と言うことになっているが、英語に関しては特別で「激しい国際競争の中で生き残るために英語が絶対に必要」ってことだ。
そのためにフィンランドのテレビでは、ゴールデンタイムにアメリカのドラマをそのまま英語で放送するというようなことまでやっている。
日本語だけで生活できる日本人とは全く英語の重要性が違うって事だな。
だが学校規模自体は元々小さい