フィンランドの学校は独立採算で経営される

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フィンランドは、高負担・高福祉の国だ

 

所得税は20%以上の累進課税、消費税も23%と高率だが、学校の授業料や医療費は全て無料。

 

義務教育期間であれば、給食も無料だし交通費も支給。

 

教科書も無料だが文房具などもタダ。

 

ただし教科書は学校の備品であり、毎年回収して3年くらい使う。

 

つまりボロボロになるまで使う。

 

というのもフィンランドの学校は、公立学校であっても独立採算制で、毎年新しい教科書を揃えるような余裕はほとんどないからである。

 

学校は予算の中からやりくりし、教員や補助教員などの給与を払い、教科書や給食費や社会見学の交通費など教育に関するさまざまな費用を賄う。

 

なのでムダな出費は極力抑えないと、社会見学などの交通費が捻出できないという。

 

そしてフィンランドの教師は、尊敬される職業ではあるが給料はかなり安い。

 

生徒20人当たり教師1人という割合だから、40人に1人の日本の2倍近くの教員が必要で、その分、人件費がたくさんかかってしまう。

 

だから学校経営者も安い給料で働いてくれる教員を雇うし、色んな指導資格を持つ教員を優先して雇う。

 

(その方が安く付くから)つまりフィンランドの教員のスキルが高いのは、教員養成に時間をかけていることと、市場原理で良くない教員を淘汰しているせいだろう。

 



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フィンランドの教員のスキルが高いわけ

フィンランドの教師の給料はかなり安いという。

 

しかし彼らのスキルは高くて教育熱心だという。

 

その秘密は恐らく二つある。

 

まず一つ目は、教師になるのが難しいこと。

 

フィンランドで教師になるにはまず、教育学部の教員養成学科に入学する必要がある。

 

志願者はまず全国統一の筆記試験がある。

 

筆記試験の内容は、教育5分野の専門書を読んで基本事項のチェックとテーマのあるエッセイ。

 

つまり教育学部に入る前に既に教育学を勉強していないといけない。

 

この段階でまず、約8000人の志願者が3000人に絞られる。

 

次に各大学で、コース別(小学校担任か、中学以上の教科担任)で、筆記試験が行われて、そこでまた志願者が千人程度まで絞られる。

 

最後は個人面接とグループディスカッションで、6人の試験官が独自に採点した結果を集計して、数百人の合格者を決める。

 

入試倍率は13倍程度だ。

 

そして教育学部に入るのも難関だが、さらに1年生の時から毎年数週間の教育実習があり、実際に教育現場で子供に触れながら教育学を学ぶ。

 

フィンランドの教育学部では、1年生の時から毎年教育実習に出される。

 

教育学部1年生から、3~4週間の教育実習があり、最初の課題は生徒1人1人の観察。

 

最終学年5年生の教育実習は、実際に授業を担当する実習で、期間は1ヶ月が2回。

 

つまり教員資格を取った瞬間にはもう、かなりの教育実習を積んでいて、子供への対処もかなり経験しているわけだ。

 

NEXT:フィンランド教員のスキルが高いわけ(2)教員の契約は3~5年契約。

 

市場原理で不良教員を淘汰する


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