経済成長する2つのパターンは?
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対GDP比で200%を超える借金を抱えた日本。
こんなに借金を抱えては身動きが取れない。
日本の国債は日本円建てで発行されているので、90年末のアルゼンチンのドル建て国債やギリシャのユーロ建て国債とは多少事情が違っている。
また日本の国債の持ち主の9割が国内企業や組織なので、国債の暴落はないと主張するアナリストもいる。
だが暴落が起こらなくとも、利払いだけでも年間10兆円を超えている。
税収が40兆円しかないのに、利払いで10兆円が消えていくわけだから、とんでもない。
さらに長期金利がたった1%上がっただけでも、利払いは数兆円も増えてしまいかねないから一大事。
しかし超高齢化社会に突入した日本の状況では、財政支出を減らすと言っても、10兆円減らすなんてほとんど不可能。
5兆円も減らせれば上出来と言うところだろう。
それにそもそも借金が増えるのは収入が少ないからであって、根本的な解決法は、経済成長で歳入を増やすしかない。
だが、どうやれば大きな経済成長ができるのか?名目GDPを増やすことが出来るのか?ここからは経済成長に絞って検討してみる。
まず経済規模の指標であるGDP(国内総生産)から復習しておこう。
GDPはこのような式で計算される。
国内総生産(GDP)の計算式
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人口が増えると経済は成長する
経済の大きさGDPは、民間消費と民間投資、政府支出と輸出によって測られる。
そして経済成長とは、このGDPが増えることを言う。
GDPが去年より1%増えたら経済は1%成長したってことだ。
高度経済成長期の日本ではGDPが毎年7~8%も伸びていた。
低成長期でも毎年2%以上GDPが伸びていた。
経済成長が2%くらいあるとちょうど良いので、各国は2%のインフレ・ターゲット(インフレ目標)を掲げて、通貨量を調整したり景気対策を行っている。
そして経済学によると、国の経済が成長するには、二つのパターンがある。
- 一つ目は人口が増えること。
- 二つ目は有効投資(有効需要)が増えること。
人口が増えると国の経済は発展する。
というのも人口が増えると、消費が増えるからだ。
すなわち、Y=C+I+G+NX のうちのC(民間消費)が増える。
そして消費が増えると生産を増やさねばならないため、ここで生産設備を増やすことが必要になり、投資が行われる。
ここでI(民間投資)が増えることになって経済が成長する。
民間投資が増えると生産性が上がるので、より安くより大量に商品が生産できる。
これによって商品供給が増えるので、また人口が増える。
この繰り返しによって経済というのは発展するわけだ。
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