国債が暴落しない根拠は、今しか通用しない説。
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日本の国債は暴落しない。
日本の国債は安全だ。
だからまだまだ国債を発行してもよい。
日本の財政問題を語るのに、こう言う主張をする人も大勢いる。
しかしこれは「原発は安全だ」という主張と同様で、かなり無責任な発言だろう。
日本の国債が安全だという主張の大本は
- 日本の国債は殆どが円建てで発行されている
- 日本の国債の保有者の外国比率は低い(8%程度)
というのも日本の家計金融資産は全部で約1400兆円ほどしかない。
この1400兆円が銀行や郵便局に預けられたり、株式投資や年金や保険に充てられている。
1400兆円のうち、現金や預貯金は約800兆円だから、1,000兆円の借金は既にこの800兆円を超えている。
つまり国債が国内で消化できなくなる日が目前に迫っているのだ。
そして国債が日本国内で消化しにくくなったら、外国の投資家に買ってもらうしかないし、将来的に日本円が暴落すると予想されたら、ドル建てやユーロ建てでないと売れない可能性もある。
そうなると当然、
- 日本の国債は殆どが円建てで発行されている
- 日本の国債の保有者の外国比率は低い(8%程度)
根拠がなくなったら、あとは暴落するのを待つだけってことになる。
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国債が暴落しなくても、財政破綻する
また日本の国債は暴落せずに済んでいるのは、消費税5%は先進国の中ではきわめて低い税率で、まだあと10~15%ほどは上げられると思われているからだと言ってる人もいる。
となると消費税を引き上げた後が怖い。
消費税を15%にしたあとも政府が無駄遣いを続けて債務問題の目処が付かなかったら、失望売りが出て、間違いなく暴落するだろう。
国や政府が国債価格を操作しようとしても、ヘッジファンドはずっと売り攻撃を続けるだろうから、恐らくどこかで価格下落が起こるはずである。
そうなると暴落も時間の問題になるわけだが、それを防ぐには日本側が国債を必死で買い支えるしかない。
ところが日本国内には既に国債を買う余裕がないので、日銀が国債を買い支えるという展開になる。
要するに日銀がお金を刷って、それを国債と引き替えるわけだ。
そうすると通貨過剰になってインフレと円安が起こり、国債価格には、さらに下落圧力がかかる。
インフレが2%以上の状態が続けば、年利1%の国債を持っていたら損になるからね。
そしてこれはまた長期金利の上昇を意味するので、ますます利払いがかさんでいくことになる。
つまり今でも毎年税金から10兆円も利子を払っているのに、それが15兆円になり、20兆円になっていくわけだ。
40兆円しか税収がないのに、20兆円も利払いって…そうなると日本の財政は確実に破綻する。
国債が暴落するかどうかなんて、実は本質的な問題じゃないんだね。
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