日本の借金、問題はGDPが伸びないと言うこと。
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日本の1,000兆円モノ巨大な借金。
こんなデカイ借金を抱えているのは、広い世界を見渡しても、日本とアメリカのたった2国だけ。
ただ借金の額もデカイが、問題はそれじゃない。
国の借金の大きい少ないは、国の経済規模を表すGDPと比較する。
これはGDPが大きければ、税収も大きく取れるので、国債の償還能力も大きいと考えられるからだ。
そして借金を対GDP比で見るとアメリカの借金はまだ対GDP比70%程度なのに対し、日本の場合はなんと対GDP比で200%を超えている。
これはユーロ危機を引き起こしたギリシャの放漫財政よりひどい状況だ。
というのもギリシャのソブリン債(国債)残高は、ギリシャGDPで測ると160%前後で、日本はそれを超える借金を抱えているわけだから。
しかし日本の借金が対GDP比で200%以上にもなった原因は、ギリシャとは多少様相が異なる。
というのも前回見たとおり、日本の借金の対GDP比が増えているのは、借金の総額が増えていることに加え、比較対照である日本のGDPが1991年以降、殆ど伸びておらず、なんと20年前の水準まで戻ってしまっているせいなのだ。
日本(GDP世界第3位)の行政債務残高(国債+地方債)とGDPの推移
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日本の失われた20年、そのときドイツは?
日本の国債残高が対GDP比で200%にもなった大きな原因は、一つは公務員の無駄遣いを放置して財政支出を増やし続けたこと。
もう一つは日本の経済が、1990年代前半から20年もの長きにわたって、経済成長を止めてしまったせいである。
これを「日本の失われた20年」なんて呼ぶが、この間に少しでも経済成長が続いておれば、税収も落ち込んでいないから赤字国債も出さずに済み、国債の対GDP比も100%を超える程度で済んでいたかも知れない。
それにしても20年間で全くGDPが増えていないどころか20年前より減っているというからもう驚きだ。
この20年間の日本はまだ人口が増えているから、バブル崩壊があったにせよ、GDPが増えないと言うのは異常事態。
では同じ時期に世界の経済は一体どうなっていたのか。
他のG7メンバー国の行政債務の推移を見てみよう。
まずはユーロ経済の原動力であるドイツとフランスだ。
ドイツ(GDP世界第4位)の行政債務とGDPの推移
ドイツは1990年に東西ドイツが統一されたが、それ以前から人口が減り始めている。
統一後に一時的に人口は増えたが、それ以降はまた減り始めていて、それでいてGDPは増え続けている。
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