学力世界一のフィンランド、その理由は読み書きできない子供が少ないこと

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学力世界一と言われるフィンランド、その最大の特徴は、できない生徒が少ないこと。

 

OECDが3年ごとに行っている15歳を対象とした国際学力テスト(PISA)では、レベル1以下の生徒の割合が低いことに、大きな関心が集まった。

 

レベル1以下の生徒はOECDの平均では19%もいて、日本でも14%も存在するのだが、フィンランドではなんと8%しかいないのだ。

 

国語読解力 習熟度別分布 PISA 2009年
国語読解力 習熟度別分布 PISA 2009年このレベルの生徒の割合がこんなに低いのは、にわかには信じられないことである。

 

というのも成績が良くない生徒というのはたいてい、何らかの学習障害(難読症)を持っていて、その発生率は8~12%くらいだと見積もられている。

 

つまり普通の教育方法では10%前後は、読み書きに難がある子供が存在しているはずだから、よほどのことがない限り、こんな低い割合にはならないのである。

 

もちろんフィンランド人が、特別頭の良い人種だという根拠はなく、近隣のドイツやオランダ、フランスと比べても4割も少ない。

 

これはちょっと異常値(測り間違え)じゃないのか?と思うくらいなのだが、調査の度にずっとこういう割合だから、秘密はどうやらフィンランドの義務教育にあるらしい。

 



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フィンランドの強さは実は複式学級?

本当にできない子供の割合が8%と、かなり少ないフィンランド。

 

その秘密はフィンランドの義務教育にあるらしい。

 

フィンランドの義務教育は小学校6年+中学校3年の9年一貫制だ。

 

小中一貫の『総合学校』があり、就学前から中学卒業までを通して教育を行う。

 

ただしこれは『建前』であって、人口密度が小さく、小学校があちこちに散らばっているフィンランドで、一貫制の学校を実現するのはかなり難しいようだ。

 

実際の所、フィンランドの小学校の9割は生徒数が100人未満の小さな学校で平均は70人くらい、中学校も150人くらいしか生徒がいないところも多いようだ。

 

そしてフィンランドの小学校では生徒数が少ないため、2学年で1クラスの複式学級が多いという。

 

低学年で1クラス、中学年で1クラス、高学年で1クラス、みたいな感じか。

 

複式学級の特徴は、生徒の学年や年齢がまちまちなので、イジメや過度の競争が起こりにくいと言うのが特徴らしい。

 

生徒数が少ない学校は、殆どの生徒が顔見知りだから、良いことも悪いことも筒抜けで、それが治安の良さにもつながっている。

 

「フィンランドの学校では競争がない」などとよく誇大広告されているが、競争しようにも競争相手がいないだけなのかも。

 

また教師が特定の学年の授業を行っている間は、他の学年の子供は自習になってしまうので、自分で勉強できるような方法で教えるというのも特徴。

 

さらに複式学級では別学年の勉強も見聞きするチャンスがあるから、それによって同じ事を2回以上勉強するということになるので、知識の定着率も当然上がるはず。

 

つまりフィンランド教育で特徴だとされていることは、フィンランドが田舎だからそうなったと言うだけの話かもしれない。

 

でもそれだけじゃないはず。

 

だってそんな国は、世界中にいっぱいあるわけだし。

 

NEXT:「教育の平等」とは、義務教育でも留年させて勉強させること。

 


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