原発事故で見えた日本の本当の危機とは

東電や文部科学省の対応こそ、実は日本の危機

日本復興,トフラー,プロシューマ活動

今回の原発事故で、一番恐ろしかったのは、東電が情報をほとんど開示しなかったことである

 

原子力発電所で重大な事故が起こっているのに、法律で定められている状態になるまで政府に報告せず、しかも官邸に1時間以上も遅れる有様。

 

そしてその後も情報を小出しにして不安を煽り、政府との合同対策本部を立ち上げるまで、情報をずっと東電側でコントロールしていた。

 

これには鈍菅首相すら怒り心頭のようだったが、確かにもう極刑を考えるべきレベルの問題だ。

 

というのも情報社会とは、必要な情報を共有することで社会全体が大きな利益を得る社会だからである。

 

これは逆に言うと、必要な情報が公開されず隠蔽されると、それによって社会全体がとんでもない損害を被ると言うことを意味する。

 

原子力発電所というのは、核燃料という管理が難しい物質を扱うので、原発事故は東京電力という一企業の問題ではない。

 

たとえば今回のように周囲に放射能(放射性物質)がまき散らされると、健康には全く害が無くても社会問題が発生する。

 

周辺地域で取れた農作物は、値段も下がるしまず売れない。

 

不動産価格も暴落し、住宅地の賃料も大幅に下がるから、地域経済が壊滅してしまう。

 

水道水や海水からも放射性物質が検出されれば、飲み水にも海産物にも影響が出てくるし、広範囲の住民に損害を与える。

 

だからこそ原発事故のようなトラブルには、素早く対処する必要がある。

 

そのために計測できているデータは生データで即時開示し、専門家からアマチュアまで、よってたかって知恵を出してもらい、最善の策をアドバイスしてもらって解決するのが、情報社会の掟なのである。

 



生データこそが大事

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生データを公開するのは、情報社会では必須である。

 

特に公的な情報は、絶対に一般に公開して、誰にでも見えるようにしなければならない。

 

というのも情報社会では、必要な情報・数値データをネット上などで一般に公開した上で、寄って集ってみんなで考えるというのがルールだからである。

 

だから東京電力が放射線量など、計測できているデータを公開せず、原子力発電所で何が起こっているか見えなくしたことは厳罰に値する。

 

たとえば原発内の計器は停電で働かなかったとしても、周辺に配置されている放射線の数値は計測されており、一時間ごとに逐一公表できたはずだし、原子炉の温度なども赤外線からある程度測定できたはずである。

 

だからそれを逐一公開し、大学や専門家が意見を書き込むサイトを緊急に開いて、そこで様々な可能性を討議することだって可能なはずだった。

 

そうすれば原子炉内で起こっている様々なトラブルの解決策や、使用済み燃料プールの問題も指摘した人がいただろうし、その重要性を世間一般に解説する人もたくさん出てきたはずだ。

 

実際そう言う活動を行っている専門家グループもいただろうし、アメリカなんかは、確実にそう言うことをやっているようだ。

 

だいたい60年以上前の太平洋戦争の時も対日本戦略を練るために、軍事には直接関係ない心理学者など様々な専門家を集めて考えられる限りの知恵を出して戦略を練ったという。

 

民主主義社会というのは、大事な情報を共有して、みんなで考えて解決してゆくものだという認識が徹底されていれば、自然とこういう行動になるのだろう。

 

これは「生データをそのまま公表する」ということで得られる大利益であって、情報社会というのは、データを公表することによって多大な利益を得る社会なのだ。

 

これを政府も東京電力も理解していなかったことこそ、実は日本の抱える最大の危機なのだ。

 

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