知識は秘密だから売れる

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アメリカがF22ラプターというステルス戦闘機を、同盟国であり最大のお客である日本にも売らない理由は、この戦闘機が世界で初めて実戦配備されたステルス戦闘機であり、ノウハウ(知識)の塊であるからだろう。

 

知識というのは、いったん公開してしまうと、いくらでもコピーできてしまうし、大まかなことが分かるだけでも、勘のいい人には大きなヒントになってしまう。

 

見たことのないモノを作り出す場合の開発コストと時間は膨大だが、2番目の開発コストや時間は、見本を真似するところから始めればよいので、かなり少ない開発コストで済む

 

たとえばアメリカの発明王トーマス・エジソンは、数千回も実験に失敗したという。

 

数千回も実験するには、それこそ膨大な費用と時間がかかったはずである。

 

しかしこの数千回の失敗があったこそ、白熱電球のフィラメントを改良したり、電話の通話距離を伸ばしたり、35ミリフィルムの映画を普及させたりできたわけだ。

 

ところがエジソンの発明の後に続く者は、エジソンがした数千回の失敗をせずに、白熱電球や電話や映画を作ることができ、儲けることができたわけだ。

 

知識で儲けようと思ったら、だから、知識は秘密にしておかなければならない。

 

少なくともその知識に対して、対価が支払われない状態では、知識は公開できない。

 

知識は秘密だからこそ売れるわけだし、知識を売るためには秘密にしないといけない

 



知識は玉石混淆、ウソもあり、時代遅れもあり

知識そのものを文書やDVDなどのメディアにして売る場合、知識は秘密にしなければならない。

 

しかし知識を秘密にすると、今度は売ることが難しくなる。

 

なぜならなんだか分からないものに大金を払う人は滅多にいないからだ。

 

知識を商品化して売る場合、大きな矛盾があって、知識を商品として販売するとき、その知識は秘密にせざるを得ないが、・知識はデジタル化すると瞬時に何百万人にも配布できる

 

・知識は秘密にしておくことが難しく、必ず広がっていくと言う知識の特性によって、知識が広まった瞬間に価値を失うのである。

 

みんなが知っている知識は、基本的には売り物にならない。

 

なぜならすでに持っている知識の価値は、効用がゼロだから。

 

だから少なくとも顧客が知らない知識でないと、売り物にはならないのだが、顧客側からすると、既知の知識かどうかは、見せてもらわないと判断できない。

 

本屋で本を立ち読みして買えるようなシステムならまだいいのだが、電子データの場合はどうやったとしても、何らかの形で丸ごとコピーできてしまうので、知識の売り手は商品のごく一部しか見せることができない。

 

本当は商品そのものであるノウハウ全部を見せて買ってもらいたくても、見せたとたん買い手は情報を得てしまうので、見せられないわけである。

 

となると、販売される知識は玉石混淆で、ウソもあり時代遅れもありってことになる。

 

商売の神様やカリスマ経営者が作ったという商売のコツが書かれた電子ファイルを、何万円も何十万円もお金を出して手に入れて、その情報を見てみたら、「お客さんを大事にする」と一言書いてあっただけだったら、たいていの買い手は「バカにするな」「そんなことは知っている」「だまされた」…などと思うことだろう。

 

また逆に、中身を公開して好きなだけ代金を払ってくださいという事にすると、今度はお金を払ってくれる人は、皆無になるだろう。

 

だから知識そのものを文書やメディアに入れて販売するのは、なかなか難しい話である。

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