スタートレックのような世界が実現しつつある
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農耕社会で人々は、空間に縛られる生活をしていた。
水がないところでは暮らせなかったし、食べ物がない地域では暮らせなかった。
今でもアフリカの農耕社会では、水くみが子供の重要な仕事になっていて、何時間もかけて川や井戸に水くみに行く。
水が手にはいるところから数キロ以内にしか住めない。
これが工業社会以前の社会だ。
一方、工業社会で人々は、時間と空間に縛られる生活をしていた。
決まった時刻に決まった場所に行って働き、時間に応じた労働報酬を受け取るのが一般の仕事だった。
上下水道が発達し、農耕社会よりはるかに行動範囲が広がったが、工業や商業に適した土地の近隣に集まって住む必要があった。
ところが工業化が進みパソコンやインターネットが普及すると、時間や空間に縛られずともできる仕事が増えた。
宅配便の普及と発展で、国内にある商品なら翌日には手に入れられるようになった。
会議やセミナーなどと言ったフェイス・トゥ・フェイスなこともインターネット回線を利用して格安の費用でできるようになった。
最近流行の3D技術が普及すれば、インターネットを利用した会議やセミナーなどももっとリアリティや臨場感のある有益なモノになるだろう。
そしてまた医療の分野でも、センサーやロボット技術の発展で、遠隔地であっても病気の診断ができたり、急患の手術でさえできるようになるかもしれない。
アメリカのSFドラマ・スタートレックの「ヴォイジャー」では、医療室のドクターがなんとコンピューター・ホログラムだったりするが、24世紀を待たずに21世紀中には実現可能になりそうな勢いだ。
アップルのiPadにそっくりな情報端末もスタートレックの中に登場するから、料理を何でも作ってくれるレプリケーターや、ヴァーチャルリアリティ空間なども、開発されて普及するかも知れない。
スタートレックの中にあって今世紀中に実現できなさそうなモノは、ワープ航法とビーム・アウト(空間転送)くらいなものかも知れない。
それはまあ余談だけれど、時間と距離が限りなくゼロに近づく世界では、距離が離れていると言うことは、もはや問題にならなくなっていく…というのは理解できるはずだ。