国家と戦争が生まれたわけとは
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革命とは、ものの見方や考え方が、以前とは全く変わってしまうことを言う。
それまで「当然」だと考えられてきたことが当然ではなくなり、そして「良くないこと」と考えられてきたことが当り前になる。
社会や制度もそれに連れて大きく変わり、性に対する倫理観も、結婚や家族、親や子、友人との関係もすっかり変わってしまう。
トフラーによると、現在の人類にはそういう大革命、いわゆる『第三の波』が来ているという。
トフラーの分類では、第一の波は数千年前に始まった農耕で、第二の波は17世紀後半にイギリスから始まった産業革命になる。
そして第三の波は、コンピューターとインターネットによる情報革命だ。
それぞれの大きな波によって、人類は新しい技術と新しい富を得るという。
たとえば第一の波では、人類は農耕技術を確立し大きな富を得た。
農耕技術を手にしたことによって人類は定住し、より多くの人口を養えるようになった。
定住することによって、より安定的で安全な暮らしができるようになった。
たとえば四千年以上前の縄文時代の大規模集落の遺跡とされる青森県の三内丸山(さんないまるやま)遺跡では栗の木を選んで植えていた形跡があり、またゴマや豆なども栽培していたらしい。
三内丸山遺跡には私も行ったことがあるが、そんなに広くない地域に、何百年にもわたって数百人以上が暮らしていたらしいと言うことだ。
どうやら近くの海で魚介類を取りつつ、栗などの木の実を栽培して暮らしていたらしいが、数百人が同じ場所でずっと暮らしていけるというのは、当時としては本当に画期的なことであろう。
そして人類が農耕技術をモノにして定住し始めた頃から、その村を束ねる者が現れ始め、領主や国王と言ったモノが誕生していく。
さらに農地の取り合いが始まり、国家間の戦争も始まる。
農業生産のために定住し始めた人類は、村や生産物を守るために戦わねばならなかった。
なのでそこで住民をまとめるためのしきたりや、信仰なども興ってきた。
縄張り争い的な戦いは、狩猟採取時代にも存在したようだが、軍事的組織を編成して戦争をし始めたのは、農耕が始まってからである。
人類は農耕技術を手にしたことで定住し集落を作り、国家を作り宗教を作り、戦争をし始めたわけだね。