東京電力の危機管理意識のなさは異常

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日本復興,トフラー,プロシューマ活動

東日本大震災ほど、今の日本の危機的状況をハッキリ示してくれた事例はないだろう。

 

大地震と大津波自体は天災だから仕方ないにしても、その後の東京電力の対応がひどかった。

 

原発周辺の放射線や放射能の生データを公表せず、識者や専門家の分析すらも困難にした結果、挙げ句の果ては手に負えなくなって、災害救助で人手がいくらあっても足りない消防隊や自衛隊まで危険な作業に駆り出す始末。

 

おまけに発電量が4分の1も不足する事態になったため、一方的な計画停電を発表して首都圏の市民に押しつけて、電車は勝手に止めるわ、信号は勝手に消すわ。

 

電力は産業社会の重要なインフラであるから、電力会社というのは様々な優遇策で損が出ないようになっていて、それで電力会社の幹部は高給をもらっているわけだが、産業社会にとって何が重要であるかも理解していなかったようだ。

 

原発で事故が発生したらどうする。

 

電力が不足したらどうする。

 

そういうケースにどうするか、そのために何を優先するか。

 

そういう危機管理がまるでできておらず、ほとんど準備できていなかった。

 

なにしろあの大地震の直後、首都圏は全域停電に見舞われたが、まさか電話も通じず、電車も全部動かなくなるとは、ビックリした。

 



東北で起こった地震で、なぜか首都圏全域停電

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地震も大津波も首都圏で起こったことでもないのに、首都圏の電話回線は通じなくなり、電車も止まった。

 

電車は重要な社会基盤でありインフラであるから、優先的に電力が回されているはず…と思っていたら、実はそう言う仕組みになっておらず、復旧の見通しも立たないと言う。

 

街の信号や電話も同じく、東電の都合で停電したりしなかったり。

 

なので首都圏では東日本大震災の起こった日には、学校や職場からみんな、寒い中を数時間かけて家まで歩いて帰ったが、家の周辺も停電していて寒い夜を震えながら過ごした人も多かったはず。

 

私も仕事先から3時間弱ほど寒い中、歩いて帰ったが、停電している地域と停電していない地域が交互にあったりして、どういう配電システムなんだろうかと、疑問に思ったりした。

 

計画停電にしても、東電が出してきたプランの分かりづらいこと分かりづらいこと。

 

一部報道によると、計画停電を官邸が発表するために公表を数時間遅らせて周知期間が足りなかったなどと幹部が言ったらしいが、あのような分かりづらい勝手なプラン、数時間前に発表されても分かる分けがない。

 

だいたい翌日以降も、停電の予定を夜の9時頃にならないと発表できない有様で、しかもホームページにもすぐに情報がアップされていなかったから、夜中の11時にならないと翌日の停電スケジュールが分からない状態。

 

鉄道に優先的に電力を回すにも国土交通省に指摘されるまで、気づかなかったようで、開いた口がふさがらないとは、このことである。

 

産業社会の最重要インフラの一つである電力が、こんないい加減な状態のままずっと供給されていたとは。

 

いかに日本の政治や行政やマスコミが、産業社会の基盤に無知だったとは。


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