標準化とは規格を決めてそれを用いること

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産業革命は、人類に膨大な富をもたらした。

 

富とはお金のことではなく、欲求を叶えられる全てのモノのことであるが、産業革命が起こって300年後の今、当時なら王侯貴族でも叶わなかったような豊かさを先進国や中進国の市民は得ることができるようになった。

 

その産業革命後の工業社会のキーワードとは、トフラーのテキストによると次の5つである。

 

  • 標準化(規格化)
  • 専門化(分業化)
  • 同時化(同期)
  • 集中化
  • 規模の極大化
それぞれがどういうものか、一つずつ見ていくことにしよう。

 

まず最初の「標準化」というのは、部品の規格や作業などのやり方を、ハッキリ決めるって事だ。

 

規格が決まっているなら、その規格に合わせたモノを作れば、市場に参加できる。

 

たとえばもっとも基本的な単位として、MKSA単位系というのがある。

 

これは「長さはメートルで表わす」「質量はkgであらわす」「時間は秒で表わす」「電流はアンペアで表わす」という取り決めだ。

 

単位系や規格を遵守するならば、日本で作ってもアメリカで作っても中国で作ってもブラジルで作っても、使えるものが作れる。

 

日本で作ったエンジンとアメリカで設計したOSと、中国で作ったプラスティック部品をブラジルで組み立てても、ちゃんと車ができて走れるっていうのは、標準化・規格化のおかげである。

 



産業革命のキーワード「専門化・分業化」

単位や規格を定めることで、単位や規格にあっていれば世界中どこで作っても使えるモノを作ることができる

 

国際単位系では、MKSAに加えて「ケルビン」「モル」「カンデラ」を加えてSI国際単位系というもので単位を統一して使っているが、こういう風に部品や作業を標準化して規格とすることによって、できあがる商品やサービスの最低限の品質を保つことができる。

 

標準化や規格化は、なにも工業に限ったことではない

 

医者は患者が来ると決まった手順で問診をし検査をするし、コンビニやスーパーでは、お客さんが来れば「いらっしゃいませ」「こんにちわ」などと挨拶するが、あれも規格であり作業の標準化である。

 

作業を標準化して規格化すれば、特に優れた才能を持たない人間でも、富を生み出すことができる。

 

これが工業社会の原理だ。

 

また規格を守りさえすれば良いというのであれば、部品のみ製造すると言うことも可能になるから「専門化」が起こる。

 

タイヤメーカーはタイヤだけ造って商売にしているし、薬品メーカーは特定の薬品だけ造って商売にしている。

 

これだって車のタイヤの規格が決まっているからこそ成り立つことであって、もし自動車のタイヤの大きさが一台ずつ異なっていたなら、量産もできないし安く造ることもできない。

 

部品の専門メーカーがなければ自動車メーカーも、エンジンや車体だけでなく、全ての部品について研究開発せねばならず、製造コストがかさむことになる。

 

工業社会というのは、こういう標準化され規格化された部品やサービスを、専門化された多くの企業が生産することによって支えられているわけである。

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