波及効果とは

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波及効果(はきゅうこうか)とは、モノやサービスの生産が増えたときに、それに関連するものやサービスの生産も増えるという現象だ。

 

たとえば阪神タイガースが優勝したら、1,000億円もの経済効果がある…とか言うヤツである。

 

阪神タイガースが優勝したら、優勝記念セールが近畿を中心に行われ、記念グッズや記念イベントが行われる。

 

優勝争いをしている間は球団グッズもたくさん売れるし、応援のための出費も発生する。

 

試合に勝ったら、お祝いと称してビールの一本も余計に飲むかも知れない。

 

これらの出費は、阪神タイガースが優勝争いすることによって、他部門にプラスの影響が波及していき、経済が盛り上がるわけだ。

 

ウィキペディアの製造業の記述を読むと、製品を生産するためには原材料や機械設備などを必要とするため、ある製品の生産が増加した場合、製品に関連する他の産業の生産活動にも影響を与える(波及効果)。

 

この傾向は、自動車のように大量の部品、大規模な工場を必要とする製品において顕著となる。

 

さらにこれらの産業による設備投資は乗数効果を通じて総需要を増大させる。

 

国内総生産(GDP)に占める割合は第三次産業の方が高いにもかかわらず、製造業の動きが景気に影響を与えるのは、波及効果が大きいためである。

 

…とある。

 

つまり大きな波及効果が得られるのは、

  • 自動車など部品点数が多い製品
  • 大規模な工場を必要とする製品
の生産が増えたとき、ということになる。

 



波及効果を期待できるような公共投資は、もうない

投資による波及効果が大きいのは製造業で、しかも自動車などの部品点数が多い製品の生産か、大規模な工場を必要とする製品の生産だという。

 

となると21世紀になってからの10年間で、300兆円もの政府支出が増えても、経済成長しないのは当然だといえる。

 

今の日本には、自動車以外に部品点数の多い製品って殆ど作っていない。

 

自動車より部品点数が多いのは、航空機かロケットくらいである。

 

が、航空機は自衛隊の戦闘機のライセンス生産くらいだし、ロケットも商業ベースでどんどん打ち上げているわけでもない。

 

ホンダがアメリカで小型ジェット機の受注を始めたが、7人乗りの航空機では、いくら売れてもさほどの波及効果はないだろう。

 

自動車も、電気自動車に移行すると、生産ラインの設備の更新が必要になるが、電気自動車はガソリン自動車よりも部品点数は少なくなるので、波及効果はやはり限定的になる。

 

一方、大きな設備が必要になるモノで、まだ日本に少ないものと言えば、あとは農業関連くらいしかないって事になるから、今の日本には、大きな波及効果を期待できるような公共投資はないって事だ。

 

となると結局、減税しかないって事だが、経済成長を促すためには、消費者減税より事業者減税で、それぞれの企業が小さな投資を増やせるようにするしかない。

 

事業税を(中小企業だけでも)ゼロにすれば徴税コストも小さくなくなるし、消費税だけ毎月徴収すれば、消費税の滞納も減るだろう。

 

最悪なのは、不況だからと言って財政出動することだ。

 

そうすると金利が上がって企業が苦しくなる。

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