リベラルとかコンサバとかは、論点ではない
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現代デモクラシーは、自由か平等かを軸に議論が行われる。
自由を重視する勢力は、国防を重要視し、かつ、市民の自由を最大限に保とうとする。
というのも国防に失敗すれば他国によって自由は蹂躙され、自由に生きることは難しくなるからだ。
だからこそ政府がやるべき事はまず国防であり、福祉や教育と言った支出は最小限に抑えて、それ以上の金を国や公務員には渡すべきではないと考える。
また肥大化した国家は市民から自由を奪う存在になりかねないし、人々の自由を制限すると言うこともあり得る。
だからこそ国家が独裁に走ったとき、独裁者を倒すために市民に銃の保持を認める。
これがつまりアメリカ共和党の主張である。
一方、アメリカの民主党は、自由は重要だが、福祉や教育への支出によって政治介入による弱者救済が必要だと考える。
また貿易に関しても、国内の産業を守る事に重点を置き、雇用を守るために保護貿易的な政策を採る。
よくアメリカ民主党は自由主義(リベラル)、共和党は保守的(コンサバティブ)と言われるが、これはキリスト教の教義に対する姿勢の話である。
キリスト教で禁じられている妊娠中絶や同性結婚を、絶対ダメだというのが、共和党が保守的であるという根拠で、構わないと言う立場が、民主党がリベラルであるという意味に過ぎない。
経済に関して言えば、アメリカ民主党は非常に保守的で、雇用を守るために、なりふり構わず保護主義に走るのだ。
ヨーロッパも自由と平等
自由か平等かという議論は、もちろんヨーロッパの先進国でも中心的な政治議題である。
たとえばイギリスでは、保守党(保守主義)と自由民主党(自由民主主義)が自由。
労働党(社会民主主義党)が平等。
ドイツでは、キリスト教民主同盟(CDU:ツエーデーウー)が自由、社会民主党(SPD:エスペーデー)が平等。
イタリアは、自由の人民(PDL)が自由、民主党が平等。
1975年にフランコ軍事独裁から王政復古を果たしたスペインは、国民党が自由、社会労働党が平等。
フランスでは、国民運動連合とフランス民主連合が自由、社会党が平等。
こうしてみてみると、ヨーロッパ各国の主要政党は、自由志向の中道右派か、平等志向の中道左派であり、右翼政党や共産党は支持されず、衰退の一途をたどっている。
一番元気だったのがフランス共産党で第二次世界大戦の対ドイツ戦で愛国者的活動が支持されていた。
共産党は「マルクス主義・国有化路線」だったが社会党のミッテランを支持し連合政権を組んで勢力を伸ばした。
しかしソ連崩壊後、ソ連共産党からずっと政治資金をもらっていたのがバレて衰退してしまっている。