軍と議会の板挟み
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民主主義の定義の所でも述べたが、軍隊というのは国民搾取主体であり金食い虫である。
だからつい最近まで、軍隊を常時維持するというようなコストがかかることは、やらないのが普通であった。
つまり戦争が起こりそうになると兵隊を雇い、傭兵によって戦争をしていたわけである。
日本でも戦国時代までは、常備軍を備えている大名は少なかった。
というのも戦は秋や冬に行われるのが普通で、これは春から夏にかけては農作業などで忙しかったからである。
戦争というのは食糧がないとできないから、秋の収穫が終わって食糧の豊富な頃に行われたし、またその収穫物を狙って外敵が攻撃してきたわけだ。
鎌倉時代にモンゴル帝国が日本に襲来したが、これも夏から秋にかけてであり、それが戦の常道だったわけである。
ところが織田信長が常備軍を作って農繁期でも勢力を増していったため、事態は一変して秀吉によって全国統一が達成されてしまう。
しかも全国統一してしまうと軍事力の存在意義が無くなるから、朝鮮半島を通って明を攻めるようなんてところまで進んでしまう。
貴族を廃止したらどうなった?
王党派や国王軍に勝利し、アイルランドやスコットランドも支配下に入れ内戦を収めたクロムウエル。
ところが次に待っていたのは、軍と議会との対立であった。
軍隊は戦争が終われば不要になる。
なので議会は軍に軍縮を求めだしたわけだが、革命を成し遂げた主体は軍であり、そう簡単に軍縮には応じられない。
それ以前は戦争が終わったら、戦功のあった人間に名誉を与え報償を与えてお終いというのが普通だった。
つまり戦で活躍したら地位や名誉を与え領土や報奨金を分配して国に帰らせて軍隊を解散するわけだ。
その地位や領土は、打ち負かした相手から没収したモノを分配すると言うことで良かった。
それが実はイギリスにおける貴族の仕組みであり、貴族は過去にイングランドに対して何らかの利益をもたらしたが故に貴族の地位を与えられていたわけだ。
ところがピューリタンであるクロムウエルは王政を廃し貴族院を解散させてしまう。
要するに王様も貴族も要らないって事である。
そうなると戦争が終わっても、与える地位や名誉もないし領土も分けようが無い。