歴史ではどういうモノをデモクラシーと呼んできたか
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クリックの『デモクラシー』によると、デモクラシーという言葉の使われ方は、4つのタイプに分類できるという。
1つ目のデモクラシーの用法は、少数による支配と多数の同意の混合だ。
少数の支配と多数の同意の混合ってわかったようなわからないような説明だな。
この考えは古代ギリシャの哲学者、アリストテレスに見られるという。
なのでアリストテレスの考えを少しまとめてみよう。
アリストテレスという人物は、ギリシャの北に隣接するマケドニア出身で、マケドニアのアレクサンドロス大王の家庭教師を務めた人物だ。
マケドニア出身だが、アテナイ(アテネ)にあったプラトンの学校『アカデメイア』に入学し、プラトンが死ぬまで20年以上そこで学び、後進の指導をして過ごした。
その後マケドニアに戻り、アレクサンドロスの家庭教師を務めた後、アテネに戻って自分の学校を作って講義を行ったという。
アリストテレスの遺した様々な学問の講義ノートは、西洋文明の基礎教養となって今に至るまで続いている。
で、その大哲人アリストテレスは国家の統治を行う政体の様子を6つに分類した。
それはこのようなものであった。
- 王政、貴族政、ポリティア
- 僭主政、寡頭政、民主政
アリストテレスの6つの政体とは
古代ギリシャの大哲人アリストテレスは国家の統治体政を6つに分類した。
分類の基準は、統治者の数と、公的か私的かという分類だ。
単独支配、少数支配、多数支配と公的なものか私的なものかで分類する。
単独支配(統治者が一人)の政体
まず統治者が一人の場合が王政と僭主政(せんしゅせい)だ。
王政というのは国王が政治を行うケースで、これはまあ国王とその取り巻きが政治を行うと言うことだ。
国王が直接政治をすることを特に『親政』(しんせい)と呼ぶ。
一方の僭主政というのは、国王でもない人物が国王のように振る舞い、国の政治を動かす非合法な統治者のことを言う。
僭主(せんしゅ)というのはいわば「暴れん坊のワンマン経営者」で、合議制を好まず抑圧的な独裁を好んだ。
だから古代アテネでは『陶片追放』といって、僭主になりそうな危ない人物を投票で選び、10年間国外追放にする仕組みなどもあったという。
少数支配(統治者が少数)の政体
統治者が少数の政体には、貴族政と寡頭政(かとうせい)がある。
貴族政というのは貴族による合議制で政治をする方法だ。
貴族というのは簡単に言うと、兵隊を率いて戦う武人のことをいう。
国防というのは国家にとって最大の仕事であるが、特に古代は対外戦争に負けると国民は戦勝国の奴隷になるのが普通の時代であった。
そんな中、兵を率いて先頭に立って戦うワケであるから貴族には様々な特権が与えられ、政治に参加する権利を持ったわけである。