株式投資ブーム起こる

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1720年のイギリスは、空前の株式投資ブームだった。

 

様々な起業家たちが登場し、新しい株式会社がたくさんできた。

 

そんな株式投資ブームの中で人気を博したのが南海株式会社である。

 

南海株式会社と言っても南海電車ではない。

 

もちろん南海キャンディーズでもない。

 

ザ・サウス・シー・カンパニーという貿易会社だ。

 

南海株式会社は本業がふるわなかったため、国債を自社株で引き受ける権利を手に入れて「南海計画」というカラクリを使って儲け始めた。

 

どういうカラクリかというと、政府から100億円の国債を引き受ける。

 

ただし100億円の現金でなく、南海株式会社の株券と交換する。

 

政府はその株を市中に売却して現金を得るわけだ。

 

それでは南海会社は儲からないので、国債と株券を時価で交換する。

 

つまり株式の額面に100億円と書いてあっても時価が120億円なら、120億円の国債と交換したわけだ。

 

この差額の20億円が利益になる。

 

これによって業績が上がって株価が上がる。

 

株価が上がれば、今度はもっと良い条件で国債と株券が交換できるので、儲けも増えてさらに株価が上昇。

 

南海株式会社の株価は、そうして10倍まで跳ね上がった。

 


南海バブルはじける

南海株式会社の株価が急騰してそれで儲かったといううわさが流れると、我も我もと株を買う人が増え、イギリスには空前の株式投資ブームが起こった。

 

ところが泡沫会社もたくさんあったため、政府が規制に乗り出す。

 

泡沫会社とは名ばかりのバブル会社である。

 

つまりうまい儲け話で金を集めるだけ集めて、ロクに経済活動をしないで泡のように消えてしまう危ない会社もたくさんあったのだ。

 

そうして泡沫会社の規制を実行してみると、急拡大していた株式市場も、いっぺんにしぼんでしまった。

 

いわゆる「バブル崩壊」だ。

 

そうして南海株式会社の株価も、最初の水準にまで戻ってしまい、科学者ニュートンなども大損してしまったという。

 

さらに南海株式会社が政界工作として政府の要人や議員にワイロとして株券を贈っていたことがバレてしまう。

 

バブル崩壊で大損させられた投資家たちの怒りは、南海株式会社から賄賂を受け取っていた要人や議員に向けられ、大臣や王族までもがこの汚職に関与していたとウワサされ始める。

 

そこで議会で多数を占めていたホイッグ党は、財政に詳しいロバート・ウォルポールを起用し、事態の収拾を図ることにした。


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