私が子供の頃、預貯金を引き出すには、銀行や郵便局に行って、
申込用紙にハンコを押して、預金通帳と一緒に窓口に出さねばならなかった。
ところが今は、銀行でも駅でもコンビニでもATMにキャッシュカードを挿し入れて、
暗証番号と金額を入力すれば、それでお金が引き出せるようになった。
これって実は、
銀行や郵便局の従業員がやるべき仕事を、
消費者でありユーザーである預金者自身にやらせているって事だよね、
…と、トフラーは言う。
実際は、銀行に行って出金申込用紙に金額などを記入し、
ハンコをついて通帳と一緒に窓口に出すという作業が、
キャッシュカードを使ってボタンを押すだけに代わっただけだから、
利用者である我々の作業が増えたわけではない。
今や銀行まで行かずとも、近くのコンビニや自宅で
振り込みまでできるような時代になったわけだから、相当便利になった。
だがトフラーはこれを「
消費者が企業にタダ飯を食わせている」と表現した。
本来は銀行の従業員がコンピューターを操作してやるべき仕事を、
利用者である預金者に代わりに操作させることによって、
銀行は大幅に人件費を削減できたはずだ。
その分、銀行が利益を得ている…というわけだ。
つまり銀行の利用者は、自らATMを操作することで、
銀行にタダ飯を食わせてやっている、と言うんだね。
最近ではスーパーなどでも、セルフレジというモノが設置され、
自分で商品のバーコードを機械に読み込ませてカードで決済することもできるようになったが、
あれもチェッカーさん(レジを打つ従業員さん)の人件費を節約しているので、
消費者がスーパーにタダ飯を食わせてやっているんだ、という。
もちろんトフラー自身、タダ飯に対して憤慨しているわけではない。
そうではなくて、このタダ飯の存在が大きな力を持ち始め、
逆に企業活動や企業業績に大きな影響を与えているってことが、
情報社会の大きな変化なんだというのだ。
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