
工業社会では「同時性」が富を増やす。
その直接の原因は、製造コストが削減できるからだ。
たとえば住宅を建てるとき予定通り作業が進まないと、
さらに完成は先に伸びることになる。
というのも水回りの工事や配線工事は、
専門の業者がやる事が多いからだ。
こんなとき、今日できなかったから明日に順延しようとすると、
「明日は別のところで仕事があるので次は数日後。」
なんて言われて、一週間も納期がずれたりする。
水回りの工事や配線工事が終わらないと、
水道会社や電力会社の工事もできないし、
内装工事の方もドンドン遅れていくので、さらに完成が遅れる。
「
遅れるバスは、さらに遅れる」というが、
そうして無用のコストがかかっていく。
トヨタのJIT(ジャスト・イン・タイム)生産方式というのは、
そう言う遅れを、可能な限り減らしていこうという生産方式であったわけだ。
トヨタの自動車生産に関わる生産主体が、
みんなでタイミングを意識して上手く合わせる。
それによって、遅れによる損失が最小限に抑えられ、
同じ労働投入量でも、より多くの利益を得ることができたわけだ。
一方、
リ・エンジニアリングについても研究が進んだ。
リ・エンジニアリングとは、高度に専門分化された現代企業を、
いかに効率よく経営していくかという学問・手法だ。
企業の組織や運営を、市場変化や経営状況に即して、
常に再構築し作り直していく方法を論じたものである。
こういう事が論じられ、そして多くの企業で採用されていった背景には、
欧米や日本で高度経済成長が終わり、
「
モノが売れなくなった」ということがあるだろう。