
個々の知識の価値は、ゼロか100である。
全く同じ知識は1個だけ手に入れれば良く、2個目は全くムダである。
知識を得るために、全く同じ本を5冊も10冊も買うことはまずない。
AKB48や「嵐」のCDを何枚も買う人がいるのは、
そこに封入されている写真とか握手券などの特典が欲しいとか、
ランキングで上位をとるのを助けたいということで、
CD自体の価値を買っているわけではないのだ。
2つ目から財の価値が減ることを、
経済学では
効用逓減(こうようていげん)と呼ぶ。
効用(こうよう)とは「消費したときの満足度」と言う意味で、
逓減(ていげん)というのは「だんだん減っていく」という意味である。
よく引き合いに出されるのが、ビールの効用である。
たとえば一杯目のビールは旨い。
だが二杯目・三杯目と呑んでいくと、だんだん最初のようには旨く感じなくなる。
物質としては、一杯目のビールも二杯目のビールも全く同じモノである。
にもかかわらず、「効用」つまり満足度がドンドン減っていくということだ。
知識の場合は、この効用逓減が甚だしい。
全く同じ知識の場合は、1つ目が100で、2つ目からはもうゼロである。
すでに知っている知識なら、1つ目からもう価値はゼロである。
ビールなら別の日にまた飲めば効用が100になるが、知識はもう一回きりである。
また
知識というのは、別の知識と組み合わされたときに初めて価値が生まれる。
個々の知識だけでは、何の価値にもならない知識でも、
上手く組み合わせることができれば、価値を生むこともできる。
そうなると、全く価値のないと思われていた知識でも、役に立ったりする。