
情報社会における生産は重量が殆どないので、
市場や消費地との距離は考慮しなくて良い。
ではどういう場所に集まるのかというと、
知識集約的な生産を行う労働者が、
好んで集まる場所になる。
アメリカのマイクロソフトやアメリカ任天堂は
ワシントン州シアトルの近くのレドモントにあるし、
グーグルやアップル社の本社は、
シリコンバレーのあるカリフォルニア州にあるが、
いずれもアメリカ西海岸の、比較的穏やかな気候の土地である。
アメリカのビジネスの中心はそれまで、ニューヨークなどの東海岸であったし、
鉱工業が盛んであったのも、東海岸側・五大湖周辺であったが、
全く反対側に、今やアメリカの経済を支える巨大情報産業が集まったのだ。
トフラーのテキストによると、アメリカの州政府は50年前には、
産業を誘致するために、鉱物や水や農産物がたくさんあり、水運に恵まれ、
労働力が豊富なことをアピールしたという。
ところが現在では、税金や賃金が安くて公務員の数も少ない事をアピールしたり、
季候が良く、優れた大学が近くにあり、ハイテク労働者が多くて通信コストが安いとか、
プロスポーツチームがあり、航空便の便数が多く、犯罪が少なく生活の質が高いとか、
そう言ったことをアピールするようになってきたという。
情報社会の産業は、パソコンを使いインターネットを使い、
アイデアや知識を駆使して富を生み出すものだから、
「優秀で創造力のある人材」や
「知識集約型の高付加価値製品を作る能力のある人材」をいかに集めて、
彼らに気持ちよく交流させ、商品を生み出すか、世界中で競争になっているということだ。
これが農耕社会の「土地と慣習に縛り付けられた労働」や
工業社会の「時間と場所で区切られた画一的没個性の労働」とは全く異なる、
情報社会の労働環境と言うことになるわけだね。
NEXT: