連用制(小選挙区比例代表連用制)は個人や地域政党を閉め出す制度

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小選挙区比例代表連用制とは、小選挙区制を取り入れた、比例代表制の一つの形である。

 

ここまで一つの選挙区から複数の当選者を選ぶ大選挙区制について

  • 比例代表・拘束名簿式
  • 比例代表・非拘束名簿式
  • 単記移譲式(イギリス式比例代表制)
などを見てきて、比例代表制に様々な問題があることを確認したわけだが、連用制もいろいろと問題が多い制度らしい。

 

まずそもそもこの連用制、今のところ先進国で採用している国はなく、一番近いのがドイツの小選挙区比例代表併用制である。

 

というか、ドイツの制度に少し手を加えたのがこの連用制であって、いわば改良ドイツ式比例代表制と行って良いものだ。

 

仕組みは比較的簡単で、まず立候補者は小選挙区に立候補する。

 

有権者は2票制で、小選挙区の候補者への投票と、比例代表による政党への投票を行う。

 

で比例代表で政党への議席を配分するのであるが、小選挙区で1位になった候補をまず当選者候補にする。

 

各政党が獲得した議席数に当選者が達しなければ、足りない数だけ小選挙区の落選者から当選させるし、比例配分議席数より小選挙区の当選者候補が多ければ、その分だけ当選者が減るという仕組みだ。

 

つまり連用制とは簡単に言うと、小選挙区制と名前が付いているが、実は完全なる比例代表制である。

 


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連用制とは、小選挙区制ではなく完全比例代表制



連用制(小選挙区比例代表連用制)は、ドイツの小選挙区比例代表併用性に手を加えた仕組みであるが、完全なる比例代表制度だ。

 

併用性(ドイツの制度)とどう違うかというと、ドイツの制度は小選挙区での当選が優先されるので、比例配分の議席が30議席でも小選挙区で40議席取ればそのまま議席になる。

 

これは個人や特定地域で活動する地域政党に配慮した仕組みで、比例票をたくさん獲得しなくても地元の代表を出せる仕組みである。

 

ただし小選挙区での議席獲得数が、比例配分議席を上回った場合、全体の議席数が増えるという欠点があって、毎回選ばれる議員数が変わるという事になる。

 

一方、連用制は小選挙区で当選したとしても、全国や比例ブロックで政党が支持されなければ、当選者が議員になれない仕組みである

 

たとえば、橋元大阪市長らが率いる「大阪維新の会」。

 

地元では熱狂的な支持を受けている。

 

なので併用制では小選挙区でたくさん当選を出して国会に多くの議員を送り込むことが可能になる。

 

ところが連用制では、比例配分で当選者数が決まってしまうので、大阪以外の地域からたくさん票を集めないと一人も議員が出せないことになるのだ。

 

東京や大阪ならまだ大票田だから議員を一人も出せないって事はないだろうが、これが鳥取だとか島根だとか高知になると、個人が小選挙区でダントツ1位であっても、まったく代表が出せなくなるはずだ。

 

連用制と併用性、仕組みは似ているのだが、似て非なる選挙制度ってことらしい。

 

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