単記移譲式(イギリス式比例代表制)は正統性を重視した大選挙区制

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比例代表制の非拘束名簿式とは、政党が候補者の名簿を提出し、候補者か政党に投票する選挙方式だ。

 

拘束名簿式の比例代表制では政党幹部が国民の与り知らぬままに勝手に候補者の当選しやすさを左右できるという大きな欠点があった。

 

というのも拘束名簿式では、政党幹部が自分の党運営に都合がよい候補者を名簿の上位に載せて当選させることが出来るのだ。

 

これでは国民が議員を選択していないから、議員一人一人の正統性は怪しい。

 

つまり拘束名簿式で当選した議員は、政党内だけで支持されている議員であり、国民・有権者から選ばれた保証がないのである。

 

そこで政党は順位のない名簿を出して自由に候補者を選んでもらう『非拘束式』になったわけだ。

 

ただそれでも議員の正統性には疑問符が付く。

 

というのも上位当選議員は、主権者たる国民や有権者から直接票をたくさん獲得して議員に選出されるわけだから、ちゃんと選ばれたと認められるのは当然だろう。

 

しかし政党が多数の議席を獲得した結果、得票数が殆どないのに議員になってしまうと議員個人の正統性は殆どなくなってしまう。

 

ということで議員の正統性を重視した方式が、単記委譲式(イギリス式比例代表制)という方式だ。

 


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単記委譲式は議員の正統性を重視した方式



単記委譲式(イギリス式比例代表制)は、EU議会選挙やイギリスの地方選挙で使われる候補者に順位を付けて投票する方式だ。

 

投票用紙には候補者の名前が書いてあり、有権者はこれに定員数分だけ順位を付ける。

 

単記委譲式の選挙でどのように当選者を決めるかというとこれが結構ややこしい作業で難しい。

 

大雑把に紹介してみると(1)当選に必要な得票を計算する(2)それ以上の得票を得た候補者を当選とする(3)当選した候補者の2位以下の投票を調べ、余分な票を按分(あんぶん:比例配分)して当選しなかった候補者に加算する(移譲)(4)移譲票を加えて最低得票を越えた候補者を当選とする(5)当選者が出なくなったら最小得票者を落選として、その票を移譲する(6)何度か繰り返して当選者を決めるという流れになる。

 

最低限必要な得票以上の票を死票(ムダな票)と考えて当選した候補への投票のうち、ムダに多く取った票を別の候補者に譲るので移譲式ってことらしい。

 

たとえば右上の図のような投票用紙があって、マエダアツコ候補とオオシマユウコ候補が早々と当確を付けたとしたら、この票は3を付けたキタハラリエ候補に加算されてキタリエ候補の得票になるということだ。

 

(まるまる1票ではなく何分の1かになるが)単記移譲式での投票では、当選議員は有権者に支持されて当選する事になるので、議員の正統性はあることになる。

 

ただ問題は、当選者を決める作業が煩雑になるということ。

 

(これはまあコンピューターを使えばいい訳だが)また1位につけた候補と3位に付けた候補が別の政党所属である可能性も高いから、比例代表制の政党の議席数と結果が異なるのも特徴だ

 

これは比例代表以外の正統な大選挙区制だと考えた方がよいかも。

 

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