比例代表制 非拘束名簿式とは

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比例代表制と、議員の正統性。

 

比例代表制で議員を選ぶ方式には、

  • 拘束名簿式(クローズド・リスト式)
  • 非拘束名簿式(オープン・リスト式)
  • 単記委譲式(ヘアー式)
などという方式がある。

 

まず拘束名簿式というのは、政党が勝手に候補者名簿に順位を付け、その順位通りに当選者を決める方式である。

 

拘束名簿式の比例代表制は、政党や政党幹部に非常に都合が良い。

 

というのも名簿の順位によって、当選しやすさが全然違うからである。

 

名簿の上位の候補は、ものすごく当選しやすくなるし、名簿の下位の候補は、ものすごく当選しにくくなるからだ。

 

となると、政党幹部や執行部に対して忠誠度が高い候補者を名簿上位に並べれば、政党にとって都合がよい候補者を当選させることが出来る。

 

また当選可能性を左右する名簿順は、政党の内部的政治力によって決められるので、名簿順を決める権限を持つ政党幹部が大きな政党支配力を持つことができるというわけだ。

 

ところがこれでは国民や有権者の預かり知らぬ密室で、議員が決まる不透明さがある。

 

国民主権であるのに、政党が勝手に決めた順番で議員を当選させる制度は民主主義的ではないし、政党の都合を優先させている制度である

 

なのでこのような方式は現在、殆どの国で採用されていない。

 

日本では参議院全国区で1983年から1998年までに数回実施されたが、自民党内で名簿順を決める方法を巡って揉めたせいもあって、現在はやっていない方法である(当たり前だ)。

 


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非拘束名簿式とは?



拘束名簿式よりも政党の支配力を弱めた方式が非拘束名簿式(ひこうそくめいぼしき)だ。

 

非拘束名簿というのは、簡単に言うと、単に候補者の名前を書いただけの名簿だ。

 

この方式で有権者は、候補者を選んでもよいし政党を選んでも良い

 

特定の候補者を当選させたい人は候補者名を書けばよいし、特に当選させたい候補者がいない場合は、政党名を書けばよい。

 

政党の名前を書くと政党の票になり、候補者の名前を書くと、候補者の票として数え、同時に所属政党の票にも数えられる。

 

そしてまず、政党別の得票数から比例配分議席を決め、誰を議員に選出するかは、個人が獲得した票によって決める。

 

たとえば民民党の立候補者が、ヤワラちゃん・レンホーさん・鈴木さんだったとすると、民民党の得票数は、

(ヤワラさんの票)+(レンホーさんの票)+(鈴木さんの票)+(民民党と書かれた票)
ということになり、これによってまず民民党の議席数が決まる。

 

で、獲得議席数が2議席だったとすると、たくさん票を獲得した候補者が順に二人当選するわけだ。

 

非拘束名簿式では、まがいなりにも国民や有権者の投票によって議員一人一人の当選可能性が左右される。

 

なので比例制であっても拘束名簿式より民主的であり、上位当選議員には議員正統性があると考えられる

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