バブル崩壊で、銀行が機能不全に陥った

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バブル崩壊によって土地神話が崩壊した日本。

 

今度は土地を持っていると資産が目減りしだした。

 

最初に困ったのは、土地投機をしていた連中で、次々と破産に追い込まれていった。

 

そして次に困ったのが、土地を担保にジャブジャブと融資を行っていた銀行だ。

 

実際にはさほど価値のない土地を高額に評価し、それを元にお金を貸し出していたから、土地の値段が下がり出すと担保価値が下がって不良融資になってしまう。

 

そこで融資の返済が滞ってなければ良いが、なにせ投機目的で金を借りている連中だから、返済できなくなると破産してさっさと逃げていく。

 

そうして土地を担保にした投機的融資は、どんどん不良債権化して銀行の経営を圧迫し始めた。

 

というのも不良債権が発生すると、銀行は融資した残金に相当するお金を、貸し倒れ引当金として現金を用意しないといけない。

 

貸した金が帰ってこない場合に備えて、予めお金を準備しておくわけだ。

 

となると、そのお金はもう他に融資できなくなる。

 

要するに新たな借り手が現れてもお金が貸せない。

 

貸した金は返ってこないわ、借り手が来てもお金を貸せないではやっていけない。

 

さらにそこにBIS規制(バーゼル合意)が追い打ちをかけた。

 



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BIS規制が銀行にとどめを刺した

国際間で金融の取り引きを安定させる国際組織を国際決済銀行と呼ぶ。

 

その略称がBISである。

 

BISでは国際的な取り引きを行う銀行に対し、自己資本比率を高めて経営を安定させることを義務づけていた。

 

簡単に言うと国際的な銀行のルールで、銀行の自己資本が貸し出しに対し8%以上ないと、国際的な銀行と認められず、国際的な取り引きが出来なくなると言うルールである。

 

銀行というのは「信用創造」といって、手持ちの資金の何倍でもお金を貸すことが出来る。

 

たとえば預金で100億円のお金を集めれば、その何倍もお金を貸すことが可能になる。

 

と言うのもまず、集めた100億円のうち、10億円だけ手元に置いておいて、90億円を貸し出す。

 

ただし貸し出した金ですぐに使わない分はそのまま銀行に貯金しておいてもらう。

 

そうすると銀行には90億円のウチの何割かが戻ってくるので、それを元にまた80億円を別の会社に融資する。

 

融資した80億円のうち、すぐに使わないお金は銀行に貯金してもらい、それによってまた貯金が増えるので、それを元に別の企業にお金を貸す。

 

これを繰り返すと、最初の100億円で、300億円とか400億円の融資が可能になる。

 

こういう仕組みのことを「レバレッジ」と呼ぶ。

 

レバレッジというのは「てこの仕組み」という意味で、てこのように小さなお金で大きなお金を動かすわけだ。

 

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