知識の価値は、ゼロか100である。
知識を生み出すコストはゼロではないが、
必要としていない人にとっての価値はゼロになる。
たとえば最新鋭の飛行機の設計図があったとする。
最新鋭の飛行機だから、この設計図を作るには
数千億円以上の資金が投じられているかもしれない。
だからこの設計図の価値は、かかったコストで言えば数千億円の価値になる。
しかしこの設計図を元に、実際に利潤を生むことができるのは、
最新鋭の飛行機を作っている企業や軍需産業くらいだろう。
だから普通の一般人がこれを手にしても、
ほとんど何の利益も得ることができないが、
この設計図を作った主体は、必至になってこの設計図を守る。
ライバル企業や敵国に知られると、それだけで膨大な損失につながりかねない。
だから機密漏洩に最大限の努力を払う。
たとえばアメリカは、主力戦闘機であるF22ラプターを同盟国にも販売しない。
F22ラプターは、ステルス性能、つまり敵のレーダーに映りにくいノウハウの結晶だ。
機体の形状から塗料、部品の継ぎ目などの数を徹底的に減らした、知識の塊だ。
なので同盟国であり、戦闘機のお得意様である日本やイスラエルにも、売らないと言う。
アメリカが、F22ラプターをどうしても売らない理由は、戦闘機の売却益より
ラプターの機密情報が他国に知られた場合の損失が、何倍も大きいと考えているからだろう。
ラプターは、本格的に実戦配備された世界最初のステルス戦闘機であるから、
採用されている技術が何か分かるだけでも、膨大な開発コストが節約できてしまう。
「これとこれとこれとこれだけで良いんだな」と分かるだけでも、コストダウンになってしまう。
そうなると、他の国がステルス戦闘機開発に成功する期間が短縮されてしまい、
アメリカの軍事力の優位性が失われてしまう。
独自に編み出した知識というのは、そうして秘密にすることによってしか
利益にすることは難しいのだ。
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知識は秘密だから売れる