もちろん銀行も、ある程度の融資の焦げ付きに備えて、引当金を設定している。
貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)とは、そう言うときに備えた会計処理だ。
ところが想定外に融資が焦げ付き出すと、引当金以上の損金が出てしまい、
貸出枠を圧迫し出すからさあ大変。信用創造機能が逆回転し始める。
それが90年のバブル崩壊で実際に起こった。
政府が過激化する不動産投機熱をさますために土地取引に規制を行い、
不動産会社がドンドン倒産し始めると、想定外に融資が焦げ付き始めた。
融資の担保として設定した不動産の価格もドンドン下がり、
持ち合いをしていた株式の価格も下がって評価損がふくらみ始めた。
そしてタイミングが悪いことに、銀行にはBIS規制適用で、
自己資本比率8%以上を維持しないと銀行業務ができなくなった。
このままでは銀行自体が潰れてしまうと言うことで、
銀行は新たな融資を極力減らし、貸し出していた融資を引き上げ始めた。
そうなると困るのが中小企業で、受けていた融資は返せと迫られ始めた。
これを「
貸しはがし」と呼ぶが、それで今度は不動産以外の企業も倒産し始めた。
さらに信用収縮は、赤字なんてない黒字の企業にまで及んだ。
黒字企業でも運転資金(当座の営業資金)を全て現金で持っているわけではない。
だから運転資金を「つなぎ融資」でまかなっていた場合、
信用収縮で金が借りれなくなって、やはり
黒字倒産したのだ。
そうして日本経済はバブルで踊っていた企業以外の企業も巻き込んで、
デフレの悪循環(デフレ・スパイラル)に陥っていったわけである。
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