工業化が進み、物資の生産が増えると、人々は競ってモノを買うようになる。
モノを持っている人は幸せそうに見えるし、逆に持っていない人は不幸に感じる。
物資がないときには、きれいな服を着たくても着られなかったし、
食べたいモノがあっても食べることができなかった。
だから工業化による大量生産で物資が手にはいるようになったら、
みんな競ってそれを手に入れたわけだ。
こう言う時代には、とにかく商品をたくさん作って在庫しておけば売れるので、
なるだけ大量の資源を投入して、大きな工場でたくさん作る方法を考えればよかった。
産業革命・工業化のキーワードは、標準化・専門化・同時化・集中化・規模の極大化だが、
規模の極大化というのは、モノをドンドン作っても売れた時代に大いに有効だったのだ。
ところが買いが一巡して、欲しい人が欲しいモノをすでに買ってしまった状態では、
大量生産されたもの「コモディティ」、いわゆる「ありふれたもの」になってしまい、
価値があるものとは見なされなくなって、売れなくなってしまった。
そして売れるのはコモディティではなく、顧客の収入やニーズにあった商品や
適度にカスタマイズされた「マス・カスタマイズド製品」と言う時代になった。
小さな車が欲しい、燃費のよい車が欲しい、とにかく安全な車が欲しい、
スポーツカーが欲しい、キャンプなどにも使える車が欲しい…
顧客のニーズは様々だし、同じ車種の自動車でも、車体の色やシートのタイプ、内装など、
様々なバリエーションから選択されるようになった。
そうして製造業は総じて「少品種・大量生産」から
「多品種・少量生産」へと舵を切らざるを得なくなり、
それと同時に「同時性」を最重要視しなければならなくなったわけである。
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