それから消費の量だけでなく、消費の質の変化も関係があるかも知れない。
日本やアメリカなど先進国のGDPは、個人消費が6割を占めるのだが、
デフレ不況が90年代末から何年も続いたために、
個人消費が、節約思考でディフェンシブ(防衛的)になったこと。
高齢化によってリタイアに近づいた団塊の世代が、
老後に備えて消費を絞ったりすれば、当然GDPは減る。
そしてまた消費が低価格商品にシフトしたために、
安い輸入品ばかり売れて、お金が海外に流れてでていったことも大きい。
乗数効果というのは、投資されたお金が
国内の企業や労働者の収入になるからこそ生まれる。
収入が増えた国内企業や国内の労働者が、
また別の国内企業からものを買うから1万円が5万円分、活躍するわけだ。
ところが増えた収入が再投資や消費に当てられず、借金の返済や
外国の商品を買うために使われたら、効果はなくなってしまう。
バケツの中で水が回っているからこそ、公共投資は乗数効果を生む。
ところが公共投資で増やした消費が、輸入品購入に向かってしまうと
穴がたくさん空いたバケツに水を注ぎ込んでいるようなもので、
乗数効果が生まれないのももっともかも知れない。
だから300兆円も支出を増やしたのに、GDPが全く増えない…のか?
しかしそれにしてもやはり、300兆円という金額はでかすぎる。
300兆円も国内に資金が投入されたのに、
GDPがマイナスなんてあり得ん。
公共投資を新たな国債発行や増税でまかなった場合、金利が上昇して、
民間の経済活動にブレーキがかかる(クラウディングアウト)ということもあるが、
この間の金利は低くて企業活動を圧迫するほどでもなかったはずだ。
90年代末に、バブル崩壊で銀行が抱えていた不良債権の処理のために
投入された公的資金は47兆円弱だというから、300兆円と言えばその6倍。
一体この300兆円は、どこへ行ったのだろう。
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波及効果がないと公共投資はムダ