大学の付属病院では、研究のために各部門の診療を続けなければならない。
だからそれぞれの科の専門医師がいないでは済まされない。
特に外科や産科は、いつ急患が発生するか分からないので
24時間体制で備える必要があり、医者の絶対数がどうしても必要だ。
なので大学では、地方の病院に派遣していた医師を引き上げ始めた。
そうなると困ったのが、地方の病院や地方自治体だ。
大学から医師が派遣されてくることをよいことに、
医師養成や医師確保に力を入れず惰眠をむさぼっていたら、
医師を引き上げられて、一気に経営が成り立たなくなっていった。
医療というのは極めて地域的なものであり、
地元で可能な限りまかなわなければいけないものである。
だから古くから栄えた都市には医科大や薬科大があり、
地域で医師や薬剤師を養成して確保する重要性を知っている。
厚生労働省の「
我が国の保健統計」には、
都道府県別の10万人当たり医師数というのが載っているが、
これをみても、異常なくらい地域差が激しいことが分かる。
全国平均の10万人当たり医師数は、さっきも書いたが212.9人であるが、
西日本では滋賀県を除き、ほとんどの都道府県が200人以上で
250人以上いる都道府県も8都道府県もある。
ところが東日本でこれを上回っているのは、わずかに5都道府県のみだ。
北海道と東京、そして北陸三県(富山・石川・福井)だけである。
中でも千葉・埼玉・茨城は群を抜いて少なく160人以下である。
西日本では、ほとんどの都道府県の国公立大学に医学部があるのに対し、
関東で医学部がある国公立大学は、東大・横浜市立大・千葉大・東京医科歯科大・
筑波大・群馬大くらいだから、いかにも少ない感じだ。
医者はどこかで勝手に湧いて来るものではないのだから、
地元でキチンと養成しないと、こういう事になるって事らしい。
ところが病院の経営悪化には、医師不足以外にも原因がある。
それは患者の
医者離れが進んでいるってことだ。
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加速する医者離れ・病院離れ