公共投資が景気を浮揚させGDPを増やすと言う理論は、
20世紀初頭のイギリスの経済学者ケインズによって唱えられた。
ケインズは失業率が10%を超えていた当時のイギリスで
どういう政策を行えば完全雇用が達成できるかを論じた。
因みに完全雇用とは、労働力の需要と供給が一致する状態で、
簡単に言うと、働きたい人がたいてい仕事を見つけられる状態だ。
で、ケインズが生きた20世紀初頭のイギリスは、
国内に新しく投資して儲かりそうな有望な産業が減ってしまい、
資本は工業化が発展途中でビジネスチャンスがある海外に流出していた。
イギリスで産業革命が始まったのが1770年頃で、
それから約70年ほどにわたって工業化が進んだわけなのだが、
イギリスでは今から百年ほど前には工業化が完了して、
労働者は余るわ企業は外国に出て行くわという停滞状況に陥っていたわけだ。
なんか今の日本の状況に、どことなく似ている感じもするね。
そこでケインズは考えた。
「
これって、モノを買ってくれる人が少なすぎるからと違うか?」
当時の経済学の常識では、モノは作れば必ず売れると考えられていた。
「供給はそれ自らの需要を生み出す」という「
セイの法則」が広く適用できると考えられていた。
セイの法則というのは簡単に言えば
「商品を作れば、高く売れるか安く売れるかわからんが、とにかく売れる」
と言うことで、マルクス経済学もセイの法則の上に組み立てられていた。
しかしこれは物資が不足している経済状態では成り立つモノの、
物資の供給力が充実したり、耐久消費財などに関しては成り立たない法則である。
だいたい失業率が上がるのは、不況でモノが売れずに在庫が積み上がり、
在庫が積み上がるからモノを作る必要がなくなって、仕事がなくなるわけである。
モノが売れない状況で、作れば売れるという説は、さすがに説得力がない。
じゃあ、何が問題なんだ?ということでケインズは、
「モノが売れない原因は、買う力が弱いからだ」と考えた。
アホみたいに妥当な結論だが、これがいわゆる
ケインズ革命の始まりだった。
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